楽天 ECコンサルタント 照屋亮さん(35)=那覇市出身

 インターネット大手の楽天で、電子商取引(EC)サイト出店店舗の売り上げサポートを豊富な知識と鋭い分析に基づいて行うスペシャリストだ。同社が社会貢献活動の一環として、高校生を対象とした電子商取引の授業を行う「楽天IT学校」の講師を務め、担当した八重山商工高校を初の本選進出に導いた。「地域と世界をつなげるインターネットで“地産外商”のお手伝いをしたい」と日々、情報感度を高めている。

「情報、物、お金が流れるインターネットにはダイナミックな面白さがある」と語る照屋亮さん=東京都世田谷区・楽天本社

 中央大学金融学科を卒業後、都市銀行や証券会社から内定を得たが、楽天の会社説明会で強烈なインパクトを受けた。「これからはインターネットと金融が世の中を大きく変えていく」と思い、入社を決めた。

 楽天証券に3年間配属後、2010年からは根幹事業であるモール型のECサイト「楽天市場」で出店企業のコンサルティングを担う。16年の那覇支店勤務時、高校生を対象にした実践的な電子商取引の授業をする社会貢献事業「楽天IT学校」の存在を知った。

 高校生が地域企業と協業し、商品企画や販売ページの作成、販売をするため、約10カ月間の出張授業をするという事業内容。「生徒たちがインターネット業界に興味を持つ窓口になる」と翌年、講師に応募した。

 担当したのは八重山商工高情報ビジネスコースの3年生。月1回同校を訪れ、インターネット販売の仕組みを学ぶ座学から始まり、商品コンセプトや顧客層の選定など実践的な段階に導いた。「プロの見地から駄目出しをするのは簡単。いかに生徒のアイデアを具現化させていくか」と、高校生の感覚を大切にした。

 校内選抜を勝ち抜いたチームは石垣島のリゾートホテルと協業し、オーシャンビューの部屋に地元の泡盛ボトルや島内を巡るタクシーチケットが付いた特別宿泊プランを立案した。地理に不慣れな外国人観光客などに受け、短期間で100万円超を売り上げた。「試行錯誤を繰り返して魅力的な商品になった。生徒たちの目の色も変わった」と成長ぶりに驚いた。

 同校は全国30校の代表チームによる「楽天IT学校甲子園2017トラベル部門」(1月、東京・楽天本社)に出場。3分間のコント調の寸劇に商品の魅力を盛り込み、本選6位に入った。「自分が一番緊張したが、生徒たちからパワーをもらった時間だった」と振り返る。

 現在は東北地方や北海道エリアの店舗を担当。シャッター通りなど、閉塞(へいそく)する地方経済の突破口としてIT活用を提案している。「立地に左右されないのがインターネットの強み。どこでも銀座1丁目になれる」。情報の海で確かな風をつかんでいく。(小笠原大介東京通信員)=連載・アクロス沖縄<74>

 【プロフィール】てるや・りょう 1982年、那覇市生まれ。首里高校2年の時に米国短期留学を経験し、金融業界を目指す。中央大学商学部金融学科を卒業後、2006年に楽天へ入社。楽天証券を経て10年からECカンパニーリテール事業部ECコンサルタント。17年、楽天IT学校講師として八重山商工高校を担当し、同校初の本選進出に導いた。現在はリテール東日本事業課関東エリア第一グループに所属。