沖縄空手

捕鯨船員目指した青年、空手に目覚める 南米で指南45年「重み感じる」

2018年2月20日 19:40

◆沖空会アルゼンチン支部の宮城郁さん・範士9段

 「沖縄の伝統空手はほかの空手とは違う『重み』がある。現在の心技体がずっと継承されていってほしい」。沖空会アルゼンチン支部の宮城郁(かおる)・範士9段=大宜味村塩屋出身=が18年ぶりに帰郷し、沖縄空手への思いを語った。1963年南米へ渡り、30代の初めに上地流の道場を開設して45年。75歳の武道家は、これからも門下生と共に稽古で汗を流し、沖縄空手の普及に力を注いでいく。(学芸部・中島一人)

型の稽古を行う宮城郁・範士9段=沖縄市山里の山城道場(中島一人撮影)

宮城郁・範士9段(中央)と交流を深めた仲程力・範士10段(左から2人目)、山城博邦師範(同4人目)、新垣隆氏(左端)ら関係者=沖縄市山里の山城道場

型の稽古を行う宮城郁・範士9段=沖縄市山里の山城道場(中島一人撮影) 宮城郁・範士9段(中央)と交流を深めた仲程力・範士10段(左から2人目)、山城博邦師範(同4人目)、新垣隆氏(左端)ら関係者=沖縄市山里の山城道場

 ブエノスアイレスのタピアレス、自宅兼ランドリー(クリーニング店)の裏に本部道場を構え、本部25人、3支部の門下生合わせ約100人が稽古に励んでいる。指導はブラジルやチリでも行い、多くの門下生を育て上げた。「礼に始まり礼に終わる。稽古も大事だが、空手の精神を持って打ち込むことが大事」とモットーを説く。月1回、高段者を集めた「黒帯会」も開き、鍛錬だけでなく技の研究にもいそしむ。

 日本人協会、県人会の催しでも数多く演武し、沖縄空手をアピール、普及に努めてきた。「技だけでなく、優しい人柄で慕われている」(沖縄空手道協会上地流副会長・新垣隆氏)。

 捕鯨船の船員を夢見て大宜味村から沖縄水産高に進んだ。「小さいころはウーマクー。でも体が小さく、強くなりたくて」。下宿した姉の家の近くにあった那覇市内の糸数盛喜氏(県指定無形文化財保持者)の道場に入門し、腕を磨いた。

 師の思い出は「目が鋭く厳しかったこと」。「当時は手取り足取りの細かい指導はしない。高弟の稽古を見て学んだ」と懐かしむ。稽古するうち「空手はけんかをするために行うものではない」と悟り、考えも変わった。

 南米に渡ったのは21歳、沖縄開発青年隊の一員だった。その後、いとこのランドリーで働きながら稽古に励んだ。渡航から10年後に独立し、道場を開設。仕事は今も現役で「空手と二足のわらじ」と笑う。家族は妻エミコさん(76)、子ども2人、孫2人がいる。

 兄のお見舞いのため1月に帰郷し、滞在は2週間。2月3日は沖縄市の山城博邦氏(沖縄空手道協会師範)の道場で仲程力氏(沖縄空手道協会上地流会長・範士10段)と型の動きを確認した。「今回確認した部分を指導に生かしたい」。空手の道60年の範士9段は、沖縄空手の普及へあらためて決意を示した。

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