1935沖縄 よみがえる古里

人工知能で色付く83年前の沖縄 色は230万枚の写真で学習

2018年3月18日 05:00

自然物→色付けは得意、人工物→無難にセピア

渡邉英徳 首都大学東京准教授

 1935年の白黒写真のカラー化に使用された人工知能(AI)は、約230万枚の写真を元に学習している。その枚数は恐らく、ホモ・サピエンスすなわち「ヒト」が一生の間に眺める数よりも多いだろう。

 したがって、どの写真でも「似た色合い」で写っているものについては、ヒトよりも妥当な色を付けられるともいえる。例えば海や空、植栽、ヒトの肌などの「自然物」の着彩は得意といえるだろう。一方「さまざまな色合い」を取り得るもの、つまり衣服や機械などの「人工物」についてAIは色を推定することができず、「無難」なセピア調に着彩する傾向がある。

 1枚の写真には、そこに写されているものごとの前後の「文脈」と「物語」が含まれている。写真を「図像」としてのみ解釈するAIにはその配慮はない。今回も沖縄の伝統的な赤瓦の色を「知らない」AIは、それっぽい茶色に色付けしてきた。そこを「一般的知識」で補い、色を取り戻す工程は現時点ではヒトが担うことになる。

 さらには色付けされた写真を「鑑賞」し「楽しむ」のは、当分の間はヒトの役割だろう。私はこの状況をヒトが過去の出来事について思いを巡らし対話する場の形成を、AIが補助してくれていると捉えている。

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