冬場の鍋商材として出回る野菜の卸売価格が下落している。沖縄県中央卸売市場での12月の平均卸売単価は、春菊やホウレンソウなどが前年同期比約1・4~5割安。暖冬の影響で需要が伸び悩んでいるのが主因だ。市場を運営する沖縄協同青果は「生産と消費がアンバランスな状態だ」と指摘。単価安による農家への影響を懸念する。(新垣卓也)

暖冬で市場の取扱量や卸売価格が下がった葉野菜=29日午後、那覇市内のスーパー

 協同青果によると、ことし12月の平均卸売単価(1キロ当たり、29日時点)は県産春菊が前年同期比50・6%減の157円、キャベツが23・7%減の61円、ホウレンソウが14・1%減の279円。

 県外産の白菜と大根は出荷数量が減少。白菜は前年同期比28・2%、大根は20・8%減った。

 気象庁によると、ことし12月の那覇の平均気温(28日時点)は20・3度。昨年同月より2・7度高い。

 ことしは台風の影響が少なく、県産野菜の出荷量は順調に推移しているが、協同青果は「暖冬の影響で冬場の鍋料理に使われる品目の消費が伸びず、単価安を招いている」と説明。県外産の白菜や大根も「小売店などで商品がなかなか売れないため、取扱数量が減った」とみる。

 一方、12月の県産レタスの平均単価は118円と前年より3・5%高く、取扱量も9・4%増えた。レタスは冬場の消費は減る傾向にあるが、暖冬の影響で需要が堅調だという。

 12月から5月にかけては、県産の春菊やホウレンソウなどが市場に出回る時季。同社は「年明けも安値の状態が続けば、農家の出荷意欲が減退していく恐れもある」と心配する。

 県内小売店にも影響が広がる。イオン琉球の担当者は「鍋商材といわれる大根や白菜は、店頭でも前年より1~2割ほど安くなっている」と説明。サンエーの担当者も「白菜や春菊の12月販売数量は、28日時点で前年より2~3割ほど少ない」と明かす。

 夫婦で那覇市内のスーパーに訪れた同市の会社員、藤田勝さん(56)は「例年、この時季は海鮮鍋などを作るが、ことしは暑くてまだ」と苦笑い。「もう少し寒くなれば食べたい」と話した。