アルコールと化粧のにおいに包まれる一帯に、バラック造りの木造長屋を中心に140余りの店がひしめき合っていた。きらびやかなネオンに彩られた那覇市・神里原(かんざとばる)界隈(かいわい)の最盛期は1960年代後半。製糖を終えた沖縄本島南部の男たちが駆け付け一冬の稼ぎを散財した。