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岩国の核兵器積載揚陸艦、沖縄移転検討 1963年米国防総省で提起

2018年3月22日 07:50

9秒でまるわかり!

  • 米軍は1960年代、岩国基地沖に核兵器を積んだ軍艦を密かに配置
  • 日米安保改正で核貯蔵は難しくなり、日本での反核感情を恐れた
  • 国防総省は63年に、米軍統治下の沖縄へ移転検討、67年に実現した

 【平安名純代・米国特約記者】米国防総省が1963年、米軍岩国基地(山口県)沖に停泊していた核兵器を積載した米海軍戦車揚陸艦の沖縄移転検討を進めていたことが21日までに分かった。核兵器の存在が知られ、本土の反核感情が高まり政治問題化するのを恐れた。米核戦略専門家ダニエル・エルズバーグ氏は沖縄タイムスに対し、ライシャワー駐日米大使(在任61~66年)の要請で同艦は67年に沖縄に移転したと証言。米軍占領下の沖縄に押し込むことで、問題の解決を試みた米側の思惑が浮き彫りになった。

米軍岩国基地(山口県)沖に1960年代に配備されていた核兵器を積載した米海軍戦車揚陸艦(米海軍資料から)

1967年に移転 当時の調査官証言

 本紙が入手したニッツェ海軍長官(当時)によるマクナマラ国防長官宛ての63年12月12日付の公文書(95年に最高機密指定解除)によると、ニッツェ氏は米国外における米海軍の運用に伴う諸問題の解決や軍事費削減を目的に、岩国や厚木海軍航空基地の所属部隊を嘉手納などに移転する5案を提示。

 その中で、長期にわたり潜在する政治的な問題の解決策として「岩国にある非常に繊細な戦車揚陸艦をドル地域へ帰還」と、核積載艦の沖縄移転を提案。本土で政治問題化するリスクが回避できる上、年間約40万ドルの削減も可能などと利点を強調した。

 日米両政府は60年1月に改正した日米安全保障条約で、日本国内における米軍の配置や装備の重要な変更、戦闘作戦行動における基地使用や核兵器貯蔵・配備は、日米間の事前協議が必要と義務付けた。一方、米軍統治下の沖縄で米軍は自由な基地使用権を享受していた。

 当時、国防総省の核兵器調査官だったエルズバーグ氏は21日までに、「米軍は、もともと沖縄にあった同艦を岩国に移転したが、日本で問題となるのを恐れ、67年に沖縄に移転した」と証言した。

 ライシャワー駐日米大使の特別補佐官を務めたジョージ・パッカード氏は、2010年に米外交専門誌への寄稿で、米軍が1960年代に沖縄から本州へ核兵器をひそかに持ち込んだと指摘。同年3月のワシントンでの講演では、海兵隊が66年に岩国で核兵器を保管していたが、同大使の抗議で撤去したなどと述べたが、撤去先については明らかにしていなかった。

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