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【ギノワンDAYS 市長選の現場】(下)沖国大:動かぬ基地 学生複雑

2016年1月19日 08:21

 宜野湾市長選告示2日前の15日午後2時すぎ、普天間飛行場に面した沖縄国際大の第3駐車場は、学生らの車でほぼ満車。出入り口脇に陣取った選挙カーは、無人の車の先へ普天間飛行場の早期返還を声高に訴える。

焼け焦げたアカギの木が残る沖国大ヘリ墜落現場。通る人はまばら=15日正午ごろ、宜野湾市宜野湾

 同大は2004年8月に起きた米軍ヘリ墜落事故の現場であり、基地問題の象徴として扱われてきた。だが、学生たちの目は必ずしもそこに向いていない。

 4年生の比嘉優介さん(22)は言う。「基地が無い方がいいのは分かってるんっすよ」。今までの候補者も基地閉鎖を訴えてきたが現状は変わらない。話す声さえ、米軍機の飛び交う音にかき消される。

 「実現できない正論はもういい。自分的には経済とか雇用の話を聞きたい感じ」。騒音に負けない声で語ると頭を下げ、先を歩く友人を追った。

 3年生の与那覇晴乃さん(21)は選挙カーの多さに「熱が入っているのは感じるけど」と言葉を濁す。寝ているところを起こされることもある。耳に入るのは、基地、辺野古、市民の安全。「それしか問題がないのかなって思う」

 墜落現場の目と鼻の先にある弁当屋は夕方、値引きをはじめた。60代の女性店員は調理場を片付けながら、11年前に目の当たりにした墜落事故を語る。「戦争のようだった」。煙に覆われ、何事か確認する間もなく軍人らが取り囲んだ。店先には「水をくれ」と顔をこわばらせた米兵が来た。

 「基地があるから事故が起こる。移設は解決策にならない」と思うが、目の前の危険を早く除去してほしい、との声もないがしろにできない。「選挙で民意がはっきりする。どっちに転ぶか分からないけど」と複雑な心境を吐露する。

 運動場のナイター照明が点灯しても、米軍機の騒音はやまない。エイサーサークルに所属する豊見城市の宇根彩音さんと西原町の玉那覇朱理さんは、共に1年生で18歳。今夏から選挙権が得られる。

 「もし市長選に投票できたら」と問うと、宇根さんは「親の意見に左右されると思う」。玉那覇さんは「若い世代こそ将来に直結する。いっぱい悩んで投票したい」と語る。家族で市長選について話すこともある。「宜野湾市民の本音を知りたい」と注目している。

 閉店した弁当屋の隣、パソコンショップからは午後9時を過ぎても光が漏れる。40代の男性店主は「基地問題は宜野湾だけで決められない。選挙結果が反映されるとは思えない」と率直な思いを口にした。(社会部・東江菜穂)

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