大弦小弦

[大弦小弦]首に縄をかけられ、フセイン元大統領の像が引き倒される…

2018年4月9日 07:44

 首に縄をかけられ、フセイン元大統領の像が引き倒される。イラク戦争を象徴する場面。名護市の稲葉博さん(67)は15年前の9日、バグダッドの広場にいた

▼突然、隊列を組んだ市民約20人が現れた。米軍の侵攻を歓迎し、一緒に像を倒す。「あんなのやらせですよ」。実際、駐留米軍は歓迎どころか攻撃の対象になり、泥沼にはまった

▼稲葉さんは戦争を阻止する「人間の盾」になろうと現地入りした。ミサイルが頭上を飛び、米兵に銃を向けられ、トラックに山積みの遺体を見た

▼2014年、たまたま訪れた沖縄が米軍のイラクへの出撃拠点だったことを知る。「日本も沖縄も加害者だった」。ちょうど辺野古新基地の建設が始まり、「また同じことが起きる」と、反対運動に加わった。そのさなかに罪に問われ、一審有罪判決を受け控訴している。身をもって戦争を体験した稲葉さんの総括は続く

▼一方、開戦を全面支持し、後に自衛隊を派遣した日本政府。イラクに大量破壊兵器はなかった。米英の指導者が誤りを認めた後も、押し黙ったまま

▼政治家が都合の悪い事実に目をつぶる。自衛隊は意向をくむかのように、現地部隊の日報を隠蔽(いんぺい)していた。重要書類をまともに扱えず、探せという指示すらきちんと伝わらない。こんな政府が、大量の兵器を抱えていることが恐ろしい。(阿部岳)

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