社説

社説[水陸機動団発足]進む「要塞化」 増す負担

2018年4月9日 07:44

 近い将来、米軍と自衛隊のオスプレイが夜となく昼となく、時に低空で、時に日米共同訓練のため、日本の空を飛び交うことになりそうだ。

 県内の全41市町村と県議会のすべての会派の代表が「建白書」を携えて安倍晋三首相に会い、オスプレイの配備撤回を要請したのは、2013年1月のことである。

 沖縄の声は聞き入れられず、米軍は海兵隊仕様のMV22オスプレイ24機を普天間基地に配備した。

 この5日には、予定を1年以上早め、空軍仕様の特殊作戦用のCV22オスプレイ5機が横田基地に到着した。

 米軍だけではない。

 陸上自衛隊は3月27日、離島防衛を主任務とする水陸機動団(約2100人)を長崎県佐世保市の陸上自衛隊相浦(あいのうら)駐屯地に新設した。

 水陸機動団の足となるのが、新たに配備されるオスプレイだ。

 21年度までに計17機のオスプレイを導入する計画で、18年度はそのうち5機が先行配備される予定である。

 陸自ヘリの墜落事故の影響などもあって、当初計画していた佐賀空港への配備計画が難航し、木更津駐屯地(千葉県)への暫定配備案が浮上している。

 懸念されるのは、陸自のオスプレイも米空軍のオスプレイも沖縄での訓練が想定されていることだ。

 県内米軍基地の移設・返還・再編計画を盛り込んだ1996年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告とは異なる事態が、その後、次々と浮上しているのである。

■    ■

 水陸機動団は、南西諸島などの離島が占拠された際、奪還することを目的とした専門部隊で、米海兵隊を手本にして編成された。

 政府は公表していないが、気になる点がある。

 12年に合意された米軍再編見直しによって、キャンプ・シュワブの第4海兵連隊とキャンプ・ハンセンの第12海兵連隊は海外に移転することになっている。

 ハンセンを共同使用する形で自衛隊の水陸機動団を近い将来、ハンセンに配備する方向で調整が進められている、というのである。

 日米両政府は、昨年8月の日米安全保障協議委員会(2プラス2)で基地の共同使用を促進することに合意しており、ハンセン使用の可能性は高い、とみるべきだろう。

 だが、沖縄の負担増につながるおそれのあるこうした重要情報はしばしば、隠蔽(いんぺい)されてきた。普天間基地へのオスプレイ配備もそうだった。

■    ■

 防衛省はこの種の隠蔽体質が抜けない。

 SACO合意から今年で22年。この間、次から次に浮上しているのは、自衛隊基地の新設を含む負担増の動きである。

 辺野古への新基地建設についても、大浦湾の海底部に活断層があるのではないか、との専門家の指摘がある。ジュゴンの行方やサンゴの実態なども徹底した調査が必要だ。

 SACO合意後に浮上したさまざまな動きを検証し、「沖縄要塞化」の全体像を把握する作業が急務だ。

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