ユリコがいちばん最初に思い出すのは、父と母が激しくいい争っている姿だった。 そのとき両親は、ユリコの幼稚園について口論していた。代々続く貿易会社を引き継いだ経営者である父は、ユリコを彼女の兄と同じように、有名大学付属小学校に入学しやすい幼稚園に入れると決めていた。