喫茶店にある大きな「赤い樽(たる)」に座る女の子。この一文だけで、読者はもう作者の罠(わな)にはまる。 女の子は常連客の老小説家に「タタン」というあだ名をつけられる。他の子より、少しだけ外の世界に対して不安を持ち、多くの時間を心安らげる場所である「赤い樽」の中やその近くで過ごす。