「なぜ、子どもの貧困対策で児童館なのか」。先日、沖縄の子どもを貧困から守る連絡協議会が、優先課題の一つとして児童館建設を挙げたことに対して、そんな声を聞いた。児童館は遊び場、というイメージが強いからか
▼これまでも居場所づくりは語られてきたが「食事をする子ども食堂」「勉強をする無料塾」などと受け取られていたのかもしれない
▼貧困とは「お金がない」だけではない。周囲とつながりが希薄な関係性の貧困もまた問題になっている。子ども食堂は、食事を通して他者とつながるための場所でもある
▼安心して過ごせる場所なら学校でも、公民館でもいい。が、そこだけではすくい上げられない子どもたちもいる。支援を届けるためには18歳未満の子どもが主役になって大人と関われる児童館のような居場所も大事だ
▼京都と滋賀で居場所づくりに取り組んできた幸重忠孝さんを迎えた講演会とシンポジウムが20日、沖縄市産業交流センターで開かれる。「顔の見える関係」の小規模の居場所をいくつも設置しているという
▼滋賀の例がそのまま県内に当てはまるわけではないだろう。既存の社会資源や私たちの実情に合わせて、子どもたちの健やかな暮らしと成長のために、どんな支援をどんな場所で続ければいいのか、立ち止まって考える必要がある。(安里真己)