東京電力福島第1原発事故で、勝俣恒久元会長(75)ら旧東電経営陣3人が大津波対策を怠ったとして、検察官役の指定弁護士は29日、検察審査会の議決に基づき、業務上過失致死傷罪で東京地裁に在宅のまま強制起訴した。

(左から)東京電力の勝俣恒久・元会長、武黒一郎・元副社長、武藤栄・元副社長

2011年3月、小型の無人飛行機が撮影した東京電力福島第1原発。左から4号機、3号機、建屋が残る2号機、1号機(エアフォートサービス提供)

(左から)東京電力の勝俣恒久・元会長、武黒一郎・元副社長、武藤栄・元副社長 2011年3月、小型の無人飛行機が撮影した東京電力福島第1原発。左から4号機、3号機、建屋が残る2号機、1号機(エアフォートサービス提供)

 未曽有の事故から5年を前に、東電側に対する責任追及は新たな展開を迎えた。ただ、証拠や争点を整理するだけでも相当な時間を要するとみられ、裁判の長期化は必至だ。3人は無罪を主張する見通し。

 強制起訴は制度開始の2009年以降、9件目(計13人)。過去最多の5人の指定弁護士が公判を担当する。

 ほかに起訴されたのはいずれも東電の原子力・立地本部長を務めた武黒一郎元副社長(69)と武藤栄元副社長(65)。

 東京第5検察審査会は昨年7月、2度目の議決で、原発事業者は万が一に備えた注意義務を負うと指摘。その上で、元会長らは「09年6月までに津波の高さが最大約15・7メートルになるとの試算結果の報告を受けていた」とし、大津波を予測し事故を防げたと結論付けた。(共同通信)