非行で少年院送致になった少女たちが更生を目指す「沖縄女子学園」が沖縄市にある。その活動を年に一度紹介する学園だより「しおかぜ」がことしも届いた
▼園では、自分の行動や気持ちを振り返り、自分の考えの伝え方や感情のコントロールなどを学ぶ。園芸や紅型などの職業指導もある。学んだことを自分でまとめた文章のほか、今回は心情がにじむ詩もあった
▼「お父さん もう一度だけ信じてほしい」「お父さん もう一度だけ頑張れと言って」「お父さん 育ててくれてありがとう」などと書かれた詩からは、葛藤と感謝、受け入れてほしい切なさが響く
▼母親を空に例えた「私と空」は、互いに言いたいことが伝わらないもどかしさや「あの時の母の悲しそうな顔に気付いていたら」「あの時母を大切にしていたら」という後悔の大きさが見える
▼園に来るまでに、家族を含め周囲や自分自身をひどく傷つけてきたのだろう。職員や外部講師らとの関わりを通して「二度と非行をしない」と多くの子が心に誓う
▼前述の「私と空」では「例えゴールが遠くても私は逃げずに前進する だって空と約束したから…」と覚悟を決める。別の生徒は「空に浮かんだひとつの星は 輝く明日を待ち望んで 今日もまた私を照らす」と書く。暗がりの中、踏みだす決意を応援したい。(安里真己)