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米CIA、BEGINやモンパチ分析していた 沖縄世論研究で

2018年5月28日 12:02

 【ジョン・ミッチェル特約通信員】米中央情報局(CIA)が沖縄世論を研究するため、ポップ音楽などを広く分析していたことが分かった。CIAがまとめた解説書は、BEGIN(ビギン)やモンゴル800、Cocco(コッコ)さんなどの歌詞、「琉神マブヤー」のヒーロー像を題材に、「平和を愛する人々」「美しい島々」といった県民の自己認識を説明している。

CIAの解説書「沖縄における基地と政治」には、BEGINやCoccoさんの名前も登場する(画像は一部加工しています)

 解説書の題名は「沖縄における基地と政治」。2012年、CIAオープンソースセンターが米政府の政策立案者向けにまとめた。「公用限定」に分類されており、本紙が情報開示請求で入手した。

 Coccoさんの歌から「ジュゴンの見える丘」を取り上げ、「沖縄のもろく美しい環境に光を当てた」と解説。「ジュゴンは、反基地や自然保護の活動家が普天間飛行場の移設に伴う環境への影響を示すため、広く利用している」と警戒感も示す。

 モンゴル800の「琉球愛歌」は「他者への共感を呼び覚ますとともに、非暴力と自然への愛着を体現する『琉球の心』を強調している」と分析する。

 BEGINの「島人ぬ宝」に込められたメッセージを、「島独特の自然や歴史が持つ物質的ではない豊かさ」と指摘。HYの「時をこえ」の歌詞に登場する「命どぅ宝」の考え方について、「間接的に戦争を否定し命の価値を広める」と解説する。

 琉神マブヤーは「他者を思いやり、許す」文化の象徴とみる。一方、NHKの大河ドラマ「琉球の風」や「テンペスト」には批判的で、大交易時代を「美化」することで、基地がなくても「アジアの交差点」として経済が成り立つと県民に思わせたと推定する。

 世論分析のため、投稿サイト「沖縄のうわさ話」で埋め立てについて賛否の意見を数えた記述も。市町村のシンボルマークや非核都市宣言は、平和を求める県民感情を知る手掛かりにしている。

 このほか歴史、文学、空手、平和運動など各分野の第一人者の著作や発言も分析している。

取り上げた主な人物・グループ

 CIAが沖縄世論を理解するため、解説書の中で作品や発言を取り上げた主な人物、グループは以下の通り。(敬称略、登場順)

 高良倉吉、仲本和彦、金城実、大江健三郎、高良政勝、太田好信、嘉手苅林昌、平安隆、宮城喜久子、仲井真弘多、翁長雄志、赤嶺政賢、知花昌一、富川盛武、大城立裕、大田昌秀、目取真俊、石川元平、稲嶺恵一、佐藤優、仲原善忠、新城俊昭、安仁屋政昭、山里毅彦、安里猛、尚泰、HY、モンゴル800、多田治、BEGIN、Cocco、稲嶺進、新垣裕治、井上雅道、チャルマーズ・ジョンソン、玉城満、柳宗悦、長嶺将真、上地拓郎、尚泰久、尚巴志、新田重清、座安政侑、山中久司、仲里効、林泉忠

<CIA「沖縄における基地と政治」全文PDF>

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