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[大弦小弦]基地を巡る県民世論をどう操作するか…

2018年5月29日 07:52

 基地を巡る県民世論をどう操作するか。米中央情報局(CIA)が作成した解説書「沖縄における基地と政治」の存在が本紙の情報開示請求で明らかになった(27、28日付)

▼米統治下、CIAはキャンプ知念や瀬名波通信施設を拠点に諜報(ちょうほう)活動していた。だが解説書の作成は2012年。今も続くばかりか、BEGINやモンゴル800の歌詞までも研究材料にし、県民の価値観を探っていたとは薄気味悪い

▼米軍やCIAは復帰前、日常的に世論を操ろうとした。弾圧や工作のほか新聞の黒枠広告を毎日切り抜き、有力者の人脈・動向調査までした

▼問題は、過去も今も米国が何のために県民の思考を研究しているかだ。目的は米軍の安定的な駐留のため、不安要素を除去することにある

▼解説書は日本政府の差別的な政策を批判しつつ、米国は無関係と主張。反基地感情の高まりを日本側のせいにし、「差別の物語に米国を巻き込んだ」とまるで被害者のようだ。最大の当事者の自覚はなく、「上から目線」が貫かれる。これこそ差別

▼県民に対する侮蔑に満ちた内容が2016年に発覚した新兵用の研修資料には、解説書の記述が引用されていた。米政府の政策決定者から末端兵士まで影響力を持つCIAの解説書に、操作されるかもしれない県民世論。「驚いた」で済ませてはならぬ。(磯野直)

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