名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前で21日に開かれた米海軍兵暴行事件に対する緊急抗議集会。多くの参加者の間に、カメラを持った高校生たちがいた▼「今、起こっている問題を撮りたい」と集会に足を運んだという。不自由な目で最前列に座り熱心に聞き入る人、気持ちが高ぶった様子の高齢男性、撮影させてほしいと頼んでも断る人-日ごろは見かけない人々の様子に出合い、戸惑った▼許し難い犯罪が、身近で繰り返され、それが放置されていることに対する怒りと悲しみ。どうにかしたい、とやむにやまれず集まった思いや緊張感が伝わったのだろう▼那覇に住むある生徒は、これまで気付かなかった基地の近くに住むことの負担や怖さを思った。「現場に来ないと分からないことがある」と話した▼別の生徒は、高齢女性に「学生さん、真実を撮って。ありのままを残してちょうだい」と頼まれたという。高校生たちはぜひ、その声に応えて、受け取ったものを多くの人の目に触れさせ、自分の言葉で語ってほしいと思う。特に同世代に伝えてほしい▼選挙年齢が18歳に引き下げられて最初の選挙が今夏ある。初めて投票に行く人も未来をつくる決断をしなければならない。そのためにも目を見開いて現状を見て聞いて語り、考えてほしいと切に思う。(安里真己)