大弦小弦

[大弦小弦]フェンス沿いの歩道に、点々と落書きを見つけた…

2018年6月11日 07:37

 フェンス沿いの歩道に、点々と落書きを見つけた。名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ。英語と日本語の両方で「入り口か出口か」と書いたものがあった

▼基地の外で暮らす私たちはゲートを入り口と考えている。中に住む米兵から見れば出口になる。いや、米兵は出入り自由だから、その自由がない私たちこそおりの中にいるという考え方がある。そうすると私たちにとっての出口なのか…

▼イスラエルがパレスチナ自治区を囲っていく分離壁のことを思う。高さ最大8メートル、計画全長700キロ以上に及ぶコンクリートの壁。イスラエル兵がパレスチナの人々を検問、暮らしを破壊している

▼英国の覆面路上アーティスト「バンクシー」がこの壁にスプレー画を描いた。8個の風船に引かれ、壁の上の空へ昇っていく女の子。描いている間、監視塔の狙撃兵が見張っていたという

▼作品集に「パレスチナは世界最大の青空刑務所、アーティストにとっては最高の旅行先」と書いたバンクシー。「箱の外に出て考えろ。箱をつぶせ。箱にナイフを突き立てろ」とメッセージを送る

▼故郷への帰還を訴えるパレスチナ人のデモが3月から大規模化している。イスラエル軍の発砲で、すでに子どもを含む約120人が亡くなった。想像力という風船があれば、私たちも距離の壁を超えられる。(阿部岳

ルポ沖縄 国家の暴力 現場記者が見た「高江165日」の真実 (朝日文庫)
阿部 岳
朝日新聞出版 (2020-01-07)
売り上げランキング: 9,780

もっと詳しく。有料会員ならこんな記事も読めます。

沖縄の米軍基地の集団感染 発端は米本土部隊から

報告書から異例の「辺野古」削除 海兵隊の沖縄への強いこだわり

「翁長が恋しいです」流れ呼んだ妻の訴え 沖縄県知事選

月額550円で有料記事が月100本読み放題の「ライトプラン」もございます。 

 
連載・コラム
きょうのお天気