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嘉手納基地前、道の駅に集まる中国人観光客 「尖閣問題で衝突、あり得ない」「中国も米国と戦うことはない」

2018年6月28日 14:00

 「ゴーッ」と爆音を響かせながら、間を空けずに飛び立つ戦闘機を間近に望む嘉手納町屋良の「道の駅かでな」の展望台。大型バスやタクシーなどでひっきりなしに中国人観光客が訪れ、カメラを構える。どんなまなざしで、対中戦略をもにらむ米軍嘉手納基地に向き合っているのだろうか。(中部報道部・篠原知恵、社会部・徐潮)

戦闘機の写真とともに、道の駅かでなを紹介する中国大手旅行サイト。本島中部(沖縄市周辺)の観光地で1位にランクインしている

 「中国の何が脅威なのだろうか?」。中国蘇州市から旅行で訪れた会社員の康海恵さん(31)、呉妍姝さん(31)夫妻は首をかしげた。夫の康さんは「中国からすると嘉手納基地は脅威だが、沖縄も中国の弾道ミサイルの射程内だ。互いに脅威と見ようとすればそう見えるが、そう見なければ仲間にもなれる」と話す。


 日中間で緊張関係にある尖閣諸島問題について考えを聞くと、妻の呉さんは「両政府がいい方法で解決してくれると信じている。軍事衝突はまずないでしょう」。康さんは「例え尖閣問題で衝突が起きても、米国が日本より大きい貿易相手の中国と戦争することはあり得ない。中国も米国と戦うことはない」と断言した。


 恩納村で青の洞窟を観光後、足を運んだ浙江省の陳鵬飛さん(25)は「ここは米国が沖縄を占領し、造った基地だ。中国から見れば米国が台湾を含めた中国包囲網をつくろうとしているように映る」とつぶやいた。


 一方、取材に口をつぐむ人もいた。タクシーで万座毛の帰りに家族5人で寄った北京市の30代女性は、尖閣問題などは「デリケートだから言いづらい」と繰り返した。北京市の日系企業に勤める40代男性は「日本と中国は経済的にお互い離れられない。中国の軍事力は日米に対抗できるレベルにはない」と言葉少なだった。


 道の駅かでなには、台湾人観光客の姿も少なくない。本島一周の帰りに寄った台湾人会社員の寇允誠さん(46)は「沖縄に米軍基地があるのはありがたい。中国に対峙(たいじ)するため嘉手納基地の軍事力はもっと強くしてもいい」と持論を展開。一方で「沖縄の人たちにしたら、これほど広い基地が街の中心にあるのは経済発展の阻害になるだろう」と遠くを見つめた。


 日本の安全保障では、いわゆる「中国脅威論」を背景に、中国などへの抑止力を在沖米軍基地に求めてきた。米軍基地に詳しいフリージャーナリストの屋良朝博さんは「日本の安保概念は日米が仮想敵の中国と対峙する構図だ」と話す。だが実際は、米中両軍とも定期訓練を通し、軍事交流に積極的とし「仮想敵を探す冷戦思考では、中国人観光客の増加や深化する経済交流を無視する矛盾に陥る。抑止論に拘束される日本の安保観の見直しが必要だ」と提言した。

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