非常に強い台風8号(マリア)が沖縄地方に向かっています。先島諸島に10日から11日にかけてかなり接近する恐れがあります。
一時は中心気圧が905ヘクトパスカル、最大瞬間風速は80メートルになると予想されていました。
台風に慣れている沖縄県民にとっても、これらの数字を見ると台風対策に身が入ります。
80メートルを記録したのは過去に2回
これまで最大瞬間風速80メートルを記録したのは、沖縄では過去に2回しかありません。1966年9月5日、宮古島を襲った「第2宮古島台風」は最大瞬間風速85.3メートルを記録し、日本観測史上1位となっています。
当時の紙面を見ると、宮古島は通信機能が麻痺したため、孤立状態で、台風が直撃した当日は被害の確認ができないと記載されています。
結果、半数以上の民家が損壊、サトウキビの7割が収穫不能となるなどの甚大な被害が出ました。

1968年にも宮古島には「第3宮古島台風」が襲い、79.8メートルを記録。大きな被害が出ました。

電柱倒れ、インターネットも使えない
2回目は、2015年9月28日午後3時41分ごろ、非常に強い勢力の台風21号が直撃した与那国島で81.1メートルを記録しました。
81.1メートルを記録した時、ひまわり8号リアルタイムwebで見た当時の雲の様子です。

目がくっきりとしています。与那国島、八重山地方、台湾が覆うように、雲の渦があります。
この時は、与那国町のすべての世帯にあたる約1千戸が停電し、電柱27本が倒れたり、折れたりする被害もありました。トタン屋根は吹き飛び、窓ガラスも割れました。
全壊した住宅は10戸、半壊が27戸、一部損壊が282戸に上りました。


電線や電話線がいたるところで切断され、携帯電話やインターネット回線も使うことできませんでした。通信機能が失われ、島は孤立しました。

不要不急な外出控えて
沖縄県は9日、災害対策本部を県庁で開き、次のような注意を呼びかけました。
(1)気象台の気象情報や避難情報に注意
(2)早めの避難
(3)不要不急な外出を控える
(4)危険な場所には近づかない
翁長雄志知事は「これから先島を中心に大変強い台風が来る。緊張感を持って情報収集し、それぞれの部署での対応をお願いしたい」と話しています。
(デジタル部・與那覇里子)