2000年沖縄サミット、各国首脳の歓迎レセプションで歌う安室奈美恵さんの写真を撮った。全国の新聞、雑誌の代表撮影。入社4年目の身には緊張を強いられる大役だった

▼当時はフィルムからデジタルカメラへの移行期。最新デジタル一眼レフを持っていったが、高価な記録カードは2個しかなく、安室さんの写真は30枚しか撮れない。撮れるかどうか不安で、1枚ずつ祈るようにシャッターを切った

▼撮影した30枚をパソコン画面で確認し、全コマが「絵」になっていることに驚いた。まばたきやゆがんだ表情の瞬間が1枚もない。22歳の歌手に「プロフェッショナル」を感じ、自分もプロの仕事をしたいと思わされた

▼2日から沖縄市で安室さんの歩みを振り返る展覧会が始まる。沖縄開催の予定はなかったが、本人の強い希望で実現した

▼1990年代から現在までの衣装や映像で、女性のファッションや生き方への影響力を実感できる。大ファンを公言するタレントのイモトアヤコさんと並んだ写真は、同様に勇気づけられた人がどれだけいたかを想像させる

▼「こびない生き方がかっこいい」と同僚の女性記者。沖縄の若い世代に自信を持たせた一方、沖縄の枠を超えて国内外の女性の憧れとなった。引退まで1カ月半、楽しませてくれた25年に感謝の気持ちを込めて見送りたい。(田嶋正雄)