大弦小弦

[大弦小弦]働く女性が昇進しようとすると頭をぶつける…

2018年8月6日 07:23

 働く女性が昇進しようとすると頭をぶつける「ガラスの天井」という言葉がある。目には見えないが、暗黙のうちに「女はここまで」と決められた状態を指す

▼東京医科大が女性の受験生に振り下ろしていたのは、足を切り落とすメスだったのか。女性というだけの理由で点数を操作し、合格しにくくしていた

▼このメスはガラス製ではない。学内の入試関係者全員に見えていたはずだ。制度的な操作なのに長年告発もなく続いてきたところに深い闇がある

▼女性を合格させない理由は結婚や出産で離職率が高いからだという。別の私立大を出た医師が「人がいないと回らないから」と擁護するのを聞いた。命に向き合う医療の場で、出産する性を理由にした差別がまかり通っているのは「病気」だと言うほかない

▼南アフリカの人種差別がそうだったように、どんな差別にも「理由」は付けられる。それでも差別は絶対悪であり、社会をむしばむ。東京医科大出の男性医師の中には、本来その資格がなかった人がいる。今回の事件は、医療や教育のシステムに対する信頼を根本的に傷付けた

▼もう一つ、男性がいつの間にか得をしている構造がはっきり示された。「沖縄問題」が本土の問題であるように、「女性問題」は男性の問題である。男性はみな当事者。沈黙は差別への加担になる。(阿部岳)

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