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「撤回は自分でやりたい」 翁長知事、最後まで信念 辺野古反対の支柱失う

2018年8月9日 06:44

 沖縄県の翁長雄志知事が8日午後、亡くなった。「辺野古に新基地を造らせない」と公約を掲げ、世論を背景に保革を超え構築された「オール沖縄」の象徴だった。がんを患っても、信念は揺るがなかった知事は4日に病室で面会した県幹部に、辺野古沿岸の埋め立て承認の撤回について「自分でしっかりやりたい」と意欲を示していたという。突然の訃報に、新基地建設を巡り土砂投入が迫る現場や、11日に予定している県民大会、県民投票などに関わってきた関係者は大きなショックを受けていた。

辺野古新基地反対の県民大会で演説する翁長雄志知事=2015年5月17日、那覇市・沖縄セルラースタジアム那覇

 那覇市の奥武山陸上競技場で11日に開かれる県民大会には、翁長知事も出席する予定だった。主催するオール沖縄会議の高良鉄美共同代表は「大きなショックで言葉が見つからない。沖縄の市民運動の屋台骨を失った」と絶句した。

 翁長知事は再入院する3日前の7月27日、新基地建設阻止に向け、「美しい辺野古を埋め立てる理由はない」と埋め立て承認の「撤回」を表明したばかりだった。その姿を思いながら「県民にとって大きな痛手。支えるべき人がいなくなった。支えが消えた」とがくぜんとし、「辺野古の工事強行に殺された感じがする」と話した。

 「県民大会は追悼大会になるかもしれない」と高良共同代表。「悲しいし残念だし無念。それでも知事から託されたと思い、気持ちを奮い立たせるしかない」と声を詰まらせた。

 「『辺野古』県民投票の会」の元山仁士郎代表は、翁長知事死去の一報を聞き「信じられない」と言葉を失った。午後4時半ごろ、ツイッターで知事が意識混濁状態であることを知り、「回復を待とうという気持ち」だった。

 同会は、新基地建設の賛否を問う県民投票の実現に向けて約10万1千筆の署名を集めた。「知事に直接、請求書を手渡したかった」と悔しさをにじませた。

 翁長知事と初めて言葉を交わしたのは2年前。当時所属していた学生団体「SEALDs(シールズ)」で翁長知事と意見交換したいと考え「話をしてほしい」と直談判。翁長知事からは「いつでも行くから声掛けてね」と温かい言葉を掛けられた。「結局その場は設けられなかった。選挙のこと、ウチナーグチのこと、いろんな話を聞いてみたかった」と語った。

 沖縄平和運動センターの山城博治議長は、知事死去の一報に、しばらく絶句。「回復して県民の前に立つ翁長さんの姿を思い浮かべていた。残念でならない」と声を震わせた。

 思い返すのは「沖縄が自ら基地を提供したことはない」「必ず撤回する」と政府と対峙(たいじ)する姿。「もう一回元気な顔を見せて、群衆が沸き立つような言葉を投げてほしい。お別れの言葉はつらい」と繰り返した。「沖縄の誇りと勇気を持って立ち向かってほしいというメッセージを伝えたかったはず。思いを引き継ぎ、未来を開くため、努力を重ねていきたい」と決意を新たにした。

沖縄県知事 翁長雄志の「言葉」

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