【東京】翁長雄志知事の訃報に、名護市辺野古の新基地建設で対立を深めてきた政府関係者からも困惑の声が上がった。今年6月の「慰霊の日」の沖縄全戦没者追悼式で顔を合わせた小野寺五典防衛相は「突然の訃報に驚いている。やせていたので心配していた。大変残念だ」とコメントを出した。
福井照沖縄担当相は「知事の人柄には、一人の人間として深く感じ入るものがあった。知事の功績に敬意を表する」とコメントした。
政府高官は「知事とは二人になると本音で話しもでき、立場の違いもあるが分かりあえる部分も多かった」と振り返る。「基地負担軽減は目に見える形で実現するのが最大の責務。沖縄の発展も全力でやった。それは知事も認めてくれるのではないか」と語った。
防衛省幹部は「これまで批判も受けながらやってきた。つらい思い」と語った。別の防衛省関係者は「最後まで辞意を言わなかったことからすると、覚悟を決めて最後まで戦うつもりだったのか」と思いを巡らせた。
来月実施される見通しの知事選については、「県民感情を考えると、弔い選挙で厳しい選挙になる」と懸念した。