沖縄タイムス+プラス プレミアム

【解説】沖縄県知事選控え、世論警戒? 辺野古・土砂投入先送り

2018年8月14日 15:37

 沖縄防衛局が17日に予定する名護市辺野古の新基地建設を巡る埋め立て土砂投入が、翁長雄志知事の死去を受けて9月30日の知事選後に先送りとなる可能性が高まった。政府は知事の死去への配慮を理由とするが、予定通り土砂を投入した場合に世論の反発を招き、政府が支援する知事選の候補者が不利な状況となることを避けたい狙いがにじむ。

新基地建設が進むキャンプ・シュワブ沿岸。海域を護岸で囲む工事などが着々と進んでいる=10日午後(小型無人機で撮影)

 政府は辺野古の工事を進め県内世論の「諦めムード」を醸成し、今年2月の名護市長選では自民、公明、維新が推す候補が初当選した。知事の生前、政府・与党内では11月に想定されていた知事選で辺野古は決着済みの問題として争点化されず、優位に戦えるとの見方が広がっていた。

 ただ、知事の死去を受けて県内の辺野古問題への関心は一気に高まった。政府内では現職知事の死去を受けた選挙が「弔い合戦」の様相を呈し県政与党の勢いが強まることを警戒する見方が広まり、土砂投入の延期を検討したとみられる。

 政府は翁長知事が初当選した前回2014年11月の知事選で、投開票の数週間前にボーリング調査を中断し、投票日の直後に作業を再開した。辺野古問題以外でも、16年の参院選の投票日翌日に2年間停止していた東村高江のヘリパッド工事を再開するなど、基地建設が選挙に与える影響を考慮する傾向がある。

 県側は、知事の死去を受けて職務代理者を務める富川盛武副知事が土砂の投入前に埋め立て承認を撤回する方向だ。土砂投入が知事選後に延期されれば、撤回も選挙後に新たな知事が判断する可能性がある。

 ただ、撤回を知事選後に先送りした場合、翁長知事の後継候補で敗れれば、撤回という最大のカードそのものが消えることになる。

 土砂の投入が延期されたとしても、新基地建設の阻止を求める県民の一部から知事選前の撤回を求める声が上がることが想定され、撤回の権限を知事から引き継いだ副知事、知事選を取り仕切る県政与党の難しい判断が迫られる。(政経部・銘苅一哲)

 
前の記事へ 次の記事へ
沖縄関連、今話題です(外部サイト)
JavaScriptをOnにしてください
きょうのお天気
アクセスランキング
ニュース 解説・コラム
24時間 1週間