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[大弦小弦]旧ソ連時代のジョーク。米国人が「うちの国ではホワイトハウスの前で…

2018年8月20日 08:32

 旧ソ連時代のジョーク。米国人が「うちの国ではホワイトハウスの前でケネディの悪口を言っても逮捕されない」と言論の自由を誇った。ソ連人が言い返す。「うちだってクレムリンの前でケネディの悪口を言っても大丈夫だ」

▼そんな言論統制下のソ連で生まれた「チェブラーシカ」は大きな耳を持つ愛らしいキャラクター。だが時代背景か、子どもだけに向けたアニメではない

▼労働者の怠慢や不正。社会主義の矛盾が顔をのぞかせる。原作は14日死去した児童文学作家のエドアルド・ウスペンスキーさん。庶民の風刺精神をまとった

▼全編がなぜだか、もの悲しい。街並みは暗い色に沈む。チェブラーシカは自分が何者か分からず、親友のワニ「ゲーナ」は孤独と共に生きてきた

▼重い荷物を背負うゲーナを小さなチェブラーシカが気遣う。「僕が荷物を持つから、ゲーナは僕を運んで」。ゲーナは全て承知で「それはいい考えだ」。チェブラーシカを抱え、重い荷物を捨てる。おかしみ、諦め、補い合う友情。屈折に味わいがある。同じように大きな耳を持つ米国文化の象徴、ミッキーマウスの単純明快さとは対照的だ

▼もっとも、チェブラーシカも最近は地域限定の土産品になり、沖縄ではシーサーにまたがったりしている。良くも悪くも資本主義社会に慣れたのかもしれない。(阿部岳)

ルポ 沖縄 国家の暴力 現場記者が見た「高江165日」の真実
阿部 岳
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