気持ちが楽になる本だ。「学校に行きたくない君へ」(ポプラ社)。全国不登校新聞社の編集に携わる不登校や引きこもりなどの当事者、経験者らが、著名人にインタビューした内容を書籍化した

▼「いろんな難を受けながら成熟していく」。女優の樹木希林さんは人が生まれた理由をこう説く。不登校の子に親がどう向き合えばいいかの問いには、苦しみに寄り添うしかないが、それは「自分が成熟するための存在」として受け止めることを勧める

▼声優の高山みなみさんは、将来が不安という質問に「不安があるのは当然。自分だけが不安だと怖がらないで」。面白いことや楽しめることを探してと促す。美術家の横尾忠則さんは「孤独こそ成功するチャンス」とエールを送る

▼不登校や引きこもり経験者らの切実な問いが、多くの著名人の個性あふれる人生観を引き出している。漫画家、研究者、映画監督…。だれもが迷い、苦しみ、もがいてきた体験は、多くの人が共感できる

▼当事者だけでなく、悩みや不安を抱える人にとっても生きるヒントや言葉がきっとみつかるだろう

▼夏休み明け前後に子どもの自殺が増える問題がある。子どもたちを支える取り組みや支援活動も広がっている。悩みやつらさは共通するもの、そして共有してもいいというメッセージが広がってほしい。(赤嶺由紀子)