ジャカルタ・アジア大会のバスケットボール男子日本代表選手4人が、ジャカルタ市内で買春していた。

 4選手は公式ウエアを着用したまま午後10時から外出し飲食。午前0時ごろ現地の女性に声をかけられ、ホテルで性交渉した。女性1人あたり日本円に換算し約9千円を支払ったという。言語道断だ。

 ジャカルタ特別州の条例で買春行為は、禁錮刑または罰金刑に相当する。4選手は現地警察からの聴取は受けていないというが、違法行為は明らかだ。

 4選手は代表認定を取り消され帰国。記者会見で謝罪した。買春について「いけないこと」との認識はあったとうなだれたが、「浮かれた気持ちでそういう経緯に至った」と説明した。一人は「日本の国旗が描かれたTシャツを着てするべき行為ではなかったと深く反省しております」と頭を下げた。

 外国という場所での解放感で買春行為に走った安直な行動への後悔や、日本代表という立場にいながら買春に及んだ社会的影響の大きさに対する謝罪の言葉を繰り返した。

 一方で、買春行為そのものを反省したり、相手の女性たちについて言及したりすることはなかった。

 バスケ男子日本代表は残り8人で試合を続行。格下を相手に苦戦を強いられるなど、影響は大きい。日本バスケットボール協会は、第三者委員会を立ち上げて処分を決める方針で、協会の監督責任をはじめ4選手へ厳しい処分が下されるのは当然だ。

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 日本人男性の買春を巡っては1970年代から80年代にかけて、東南アジアへの「買春ツアー」が国際問題となった。85年の国連婦人の10年世界会議では、インドネシアやパキスタンの女性たちが「日本人男性の買春行為は日本全体の責任」と強く批判した。

 こうした「外圧」によって買春ツアーは表舞台から姿を消したが、実態はどうか。

 今回の買春は、これらの問題が決して過去のものではないことを示している。インドネシアの言葉を知らない選手たちに女性たちを紹介したのは、現地にいる日本人だった。

 多くの売春の背景には貧困や暴力がある。戦後まもなく施行された日本の売春防止法も、貧困のため売春する女性たちを保護し更生させる目的でできた経緯がある。

 東南アジアでは近年、子どもの被害も深刻で、買春はそこに加担する行為だ。欧米では数十年前から、最近はアジアの国々でも厳罰化が進む。

 日本では99年、児童買春が罰せられるようになったものの、成人に対する罰則はなく、買春対策は遅れていると言わざるを得ない。

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 バスケ男子日本代表にとってアジア大会は、東京五輪出場へのアピールの場だった。買春問題がフェアプレー精神をうたう五輪出場の資格獲得に、大きな足かせとなったのは間違いない。

 賭博やパワハラ、不正判定など相次ぐスポーツ界の不祥事を見れば、まずは足元を見直すべき時だ。