民謡歌手の山川まゆみが芸道30周年を記念した初のソロアルバム「しまうたに語ら」を26日にリリースする。16歳のころ、子ども向けテレビ番組「ひらけ!ポンキッキ」で歌った「ユイユイ」のヒットから始まり、ユニット結成、後進指導と芸道を歩んできた42歳。「アルバムを出すことが一つの夢だった。師匠と周囲に感謝を込めた」と語る。30年の道のりを聞いた。(学芸部・松田興平)

初独演会で芸歴30周年の節目を飾る山川まゆみ=那覇市・沖縄タイムス社

山川まゆみの初ソロアルバム「しまうたに語ら」のジャケット

初独演会で芸歴30周年の節目を飾る山川まゆみ=那覇市・沖縄タイムス社 山川まゆみの初ソロアルバム「しまうたに語ら」のジャケット

 「ユイユイユイ!ユイユイユイ!ユイマール」

 キャッチーなリズムに口ずさみやすい歌詞をのせた「ユイユイ」は知名定男作曲、坂田英世作詞の楽曲。沖縄が復帰20年を迎えた1992年に「ひらけ!ポンキッキ」で歌い人気を得た。山川の代名詞ともいえるヒット曲で、芸歴を振り返るときは「ユイユイ」が出発点となる。

 「12歳で民謡を習い始めた時は、もちろんプロになることなんて考えてなかった。この歌がなかったらきっと歌手になっていない。実は知名先生の誤解で抜てきされた。ラッキーだった」と明かす。

 歌い手は視聴者の年齢に近い子どもが選ばれる予定だったという。山川は16歳当時から身長145センチの童顔で、年齢を勘違いされたままオファーを受けた。東京でのレコーディング後に初めて実年齢を確認された。

 「高校1年生と知ってびっくりしていた。前もって年齢が分かれば頼まなかったと言われた。今は歌三線が上手な子どもたちがたくさんいるので、話が回ってきたのもあの時代ゆえ」と笑う。

 そのおかげで全国を飛び回り、県内で多いときは1日8ステージで熱唱。高校時代は校門前に送迎車が待機し、平日でも仕事に飛び回った。

 デビューをきっかけに結成した「ゆいゆいシスターズ」は今でも続く息の長いユニット。メンバーを入れ替えながら現在は上原正吉の孫である上原唯と自身の長女、宮城マナミと3人で構成する。

 多忙な高校時代を経て、県立芸術大学で琉球古典音楽を学んだことも貴重な経験だった。在学中、歌三線の城間☆(徳の心の上に一)太郎、太鼓の故島袋光史ら人間国宝に地謡を学んだ。

 「古典経験ゼロで入学した。ステージの癖で抑制した表現がうまくできず、よく注意されたけど全てが新鮮で楽しくて仕方なかった」

 卒業後、すぐに家庭を築き、生活に合わせた舞台活動になったが、ゆいゆいシスターズは継続。2006年には自身の教室を開設した。

 合わせて3歳から19歳の弟子たちでつくるユニット「島うた少女テン」も結成し、これまで3枚のアルバムをリリースしてきた。

 目まぐるしく舞台活動を送ってきたが、自分自身がソロでCDを制作したことはなかった。初の一枚には思い入れがある曲を並べた。

 「ユイユイ」をはじめ、師である上江洲由孝とのコンビ歌を含む「浜千鳥」「油断しるな」「無学のおじさん」「さんしん綾節」「いちゅび小」など15曲を収録。

 山川は「どっぷりと民謡を味わってほしい」と語った。

 税込み3024円。

26日南風原公演

 民謡歌手の山川まゆみはソロアルバムと同名の初独演会「しまうたに語ら」を26日午後4時半から南風原町中央公民館黄金ホールで開く。芸道30周年の節目を飾る公演はすでに前売り券完売で、山川は「多くの方にこれまで向き合ってきた民謡を聴かせたい」と語った。

 独演会では師であり、由絃會會主である上江洲由孝のほか同門や、ゆいゆいシスターズ、島うた少女テンのメンバーら山川が関わる約100人が出演する。

 当日券(3千円)の販売は未定。問い合わせは山川まゆみ民謡研究所、電話098(945)5250。