お盆に海に入るとお化けに引きずり込まれる―。この時期、子どもたちを怖がらせてきたそんな言い伝え。沖縄気象台は「根拠がないわけではない」と解説する。

枝状のサンゴに群れるデバスズメダイ=2016年撮影、座間味村・阿真ビーチ

離岸流の仕組み

枝状のサンゴに群れるデバスズメダイ=2016年撮影、座間味村・阿真ビーチ 離岸流の仕組み

 旧暦7月13~15日の旧盆は、新月と満月の前後に起こる海面の上昇現象「大潮」に重なる。半月のうち、満潮と干潮で潮位の差が最も大きく、海水の流れが速くなる時期だ。

 海水の流れが速くなると「離岸流」に巻き込まれる恐れも高まる。離岸流とは、岸から沖へ強く流れる海水の通り道で、季節にかかわらず発生する。太平洋など外洋に面し、遠浅で海岸線が長い場所や、波が海岸に対し直角に入る場所で起こりやすい。

 離岸流の速さは流れの強い所で秒速2メートルに達し、競泳の五輪メダリストが泳ぐスピードよりも速い。人間が離岸流の流れに逆らって泳ぐのは不可能だという。

 さらに、夏場は台風シーズン。沖縄地方から遠く離れた太平洋で発生した台風でも、沖縄地方の海域に「うねり」を起こすなど影響を及ぼす。この場合、沖合は一見穏やかで泳ぐのに問題がなさそうに見えても、浅瀬や磯際、リーフなどの海岸で急激な高波になることがある。

 旧盆は、1年のうちこれらの現象が重なる注意が必要な時期。沖縄気象台は「言い伝えや迷信の背景には、科学的な根拠があることもある。自然の脅威を正しく理解し、正しく恐れる心構えをしてほしい」と話している。