米共和党の重鎮ジョン・マケイン上院議員が25日、死去しました。本紙米国特約記者の「平安名純代の想い風」でマケイン氏を取り上げた回を再掲載します。

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 米軍普天間飛行場の代替施設はいらない。そうした願いは、果たして沖縄だけのものなのか。

 「辺野古への代替施設建設計画を止めれば、数十億ドル節約できるし、政治問題も減る。沖縄の海兵隊を維持することで、将来どのような影響が生じうるかを知ることも重要だ」

 米国防総省にそう主張して辺野古再考を促したのは、米議会で大きな影響力を持つレビン、マケイン上院議員らだった。

 2011年5月。彼らが提示した東アジア米軍再編計画をまとめたのは、ベトナム戦争の従軍経験を持つ元海兵隊員で国防次官補、海軍長官を務めたウェッブ上院議員(当時)。

 海兵隊は既得権益として沖縄駐留に固執する。しかし県民の基地負担は重く、日米関係を不安定にする要因でもある。米国の将来のアジア戦略にマイナスとなる恐れもある。海兵隊の撤退を求める県民の声も弱まることはないだろう-。

 ウェッブ氏らのそうした説明で、普天間問題が停滞する理由を初めて理解したゲーツ国防長官(当時)は、彼らの主張に同意し、退任後は後任のパネッタ氏に代替施設をめぐる議論に終止符を打つべきだと進言した。

 普天間問題が正面から見直された結果、県内移設が受け入れられないのは、沖縄だけではなく、ワシントン(米議会)も同じなのだという認識が初めて明示されたのだった。

 米国は、日本政府と進める解決策(辺野古移設)が県民に受け入れられるものではないということにすでに気づいている。

 しかし安倍政権の誕生で、潮の流れは大きく変化した。これまでさまざまな局面において米国を支えてきた日本の必要性は、米国の未曽有の財政緊縮下でさらに高まっている。

 果たして仲井真弘多知事は辺野古埋め立てを許可するのか、名護市に建設賛成派の市長は誕生するのか。ワシントンでは、沖縄の声がどう変化するのかにあらためて注目が集まっている。(平安名純代・米国特約記者)