社説

社説[統一地方選スタート]政策本位で活発議論を

2018年8月29日 07:26

 任期満了に伴う北谷町、今帰仁村の両議員選、本部町長選が28日告示され、沖縄の統一地方選がスタートした。

 ピークとなる9月9日には名護市など25市町村議選が投開票(竹富町は10日開票)される。伊是名、大宜味両村長選もある。

 さらに知事選が行われる30日には、宜野湾市長選、うるま市議選が投開票される。

 沖縄タイムスの調べでは、29市町村議選(総定数421)に497人が立候補を予定している。

 議員選立候補予定者アンケートでは、公約や最重要課題として「子育て支援の充実」「地域産業の振興」「介護・高齢者福祉の充実」が上位を占めた。

 どれも地方自治体の知恵が問われる身近な暮らしの問題だ。沖縄の待機児童は全国的に見ても多い。産業振興は失業率の低下や所得の向上には不可欠だ。少子高齢化の中で高齢者の介護や貧困問題も深刻であることがうかがえる。

 地域的な課題もある。

 基地が集中する中部では基地問題を最重要課題に選んだ人が際だって多かった。八重山や離島では「地域産業の振興」や「農水産業の振興」が高かった。島を離れなくても地元で就職・生活できることを望んでいる結果だろう。

 市町村議選や首長選は住民に最も身近な選挙である。候補者には地域の課題と住民の要望をすくい上げた公約や政策を明確に掲げて、有権者の前で堂々と論戦を交わしてもらいたい。

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 地方自治体は議員と市町村長を住民が直接選挙で選出する二元代表制をとっている。

 議会と執行部は独立・対等の関係にあり、議員は住民代表として行政へ民意を反映させるとともに、執行部をチェックする役目を担っている。

 だが、現状は執行部の「追認機関」となってはいないか。議員には条例制定の提案権もある。積極的に行使するためには議員が政策立案能力を高めなければならない。

 議会の活性化には幅広い層からの政治参加が必要だが、女性の立候補予定者が1割程度にとどまる見通しだ。2016年末時点で、市議会議員の女性の割合は11・5%、町村議会は6・9%でいずれも全国平均に及ばない。

 今年5月に成立した「政治分野の男女共同参画推進法」では市町村議会の議員選挙も男女の候補者数が均等となることを目指している。

 女性や若者が立候補しやすいような環境づくりは議会改革を含め次に向けた課題だ。

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 注目されるのは辺野古新基地問題を抱える名護市議選である。今選挙から定数が1減となり26議席。現在、与党13に野党が14と拮抗(きっこう)している。いずれが過半数を制するか、選挙結果は知事選にも少なからぬ影響を与えるだろう。

 4年前の統一地方選ではピークの24市町村議選の投票率は61・26%で、2010年より約2・0ポイント減少した。

 選挙権年齢が18歳以上に引き下げられてから初の統一地方選である。自分たちのまちの未来を託す議員・首長を選択する選挙だ。政策を見極め、大切な1票を行使しよう。

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