糸満市の糸満ロータリーの西約100メートルに、黄色い看板が目印の精肉店「肉家(ししや)こうちゃん」がある。店主は地元で生まれ育った上原康一さん(44)。東京都新宿区の高級スーパーの食肉部門などで約20年間培った肉の目利きで、2014年に開店した。店内にはイートインの5席がある。元は注文待ちの席だが「開店から1~2カ月で、お年寄りが、ゆんたくしては持ち帰り用の料理を食べて帰るようになった」(上原さん)という。

看板メニューの一つ、牛汁(550円)。ご飯も付く

糸満ロータリーの西約100メートルにある「肉家(ししや)こうちゃん」と店主の上原康一さん

肉家こうちゃんの場所

看板メニューの一つ、牛汁(550円)。ご飯も付く 糸満ロータリーの西約100メートルにある「肉家(ししや)こうちゃん」と店主の上原康一さん 肉家こうちゃんの場所

 家まで待ちきれないのも無理はない-と思わせる看板メニューの一つが、牛汁(550円、ご飯付き)だ。肉がゴロゴロとした豪快さと、優しい味わいを両立させている。

 しょうゆ味ベースのスープに5センチほどもある赤肉の他、肺、心臓、胃のホルモン計4種、大根、ふくよかな甘みの糸満市喜屋武産ニンジンが入る。赤肉は一つ頬張れば男性でも口いっぱいになる食べ応え。脂身をそぎ落として下ゆでするなど、2日がかりの仕込みがあっさりとした中に滋味深いコクを生む。20~70代とリピーターも幅広い。

 肉を豚の軟骨、骨付きソーキにした軟骨ソーキ汁(550円、ご飯付き)は、さらにあっさりで、お年寄りが中心客。粗びきで肉の食感豊かな和牛入りメンチカツ(120円)、ニンニクの利いた鶏カツ(同)なども人気だ。

 あっさりした味わいにこだわるのは、故郷で増えるお年寄りの好みに応えたいから。出歩きにくくても好きなものを食べてほしいと一品から配達する。上原さんは「モットーは『肉屋から福祉へ』です」とほほ笑んだ。(南部報道部・堀川幸太郎)

 【お店データ】糸満市糸満603の1、浜元ビル101号。営業時間は午前9時~午後7時。不定休。5席。駐車場なし。電話098(851)4829。