人生の節目にいる2人の笑顔を被災地の力に-。フォトウエディングを手掛ける「スタジオ・シエロ・イ・マーレ」(沖縄県読谷村高志保、平岩浩貴代表)が、撮影料金の一部が西日本豪雨の被災地に寄付される「義援金付きプラン」を販売している。8月の販売開始後、既に北海道から九州まで県外カップルを中心に6件の申し込みがあり、問い合わせも相次いでいるという。(中部報道部・篠原知恵)
義援金付きプランは、ドローンを活用したビーチや体験王国むら咲むらでの琉球の街並み、チャペルなどの撮影170カットで計10万8千円。衣装やヘアメーク代も込みで、うち2万円が日本赤十字社を通して被災地へと届けられる。義援金2万円分を差し引いたプランより特典を充実させた。
名古屋市出身の平岩代表は2000年の東海豪雨に遭い、道が冠水して当時の職場に缶詰めになった経験がある。自宅はほぼ被害を受けなかったが、周辺がそれまでと一変した衝撃は今も鮮明に記憶に残っている。今年7月の西日本豪雨発生後、ボランティアに駆け付けたかったというが、フォトウエディングの繁忙期で身動きが取れなかった。「沖縄の小さなスタジオでも役に立てること」を考え、義援金付きのプランを思い付いた。
平岩代表は「お客さまにとっても人生の節目に社会貢献ができれば、その後の2人の人生に大きな何かを残すことができるのでは」と語る。
来年2月に結婚式を控える佐藤亮太さん(32)=東京都=、岩沢愛さん(26)=埼玉県=のカップルは20日に義援金付きプランで、前撮りを終えた。沖縄は初めてという岩沢さんは「被災地のニュースで何かできることはないかと心を痛めていた」と話す。さまざまな業者を候補に挙げるなかで「せっかくなら」と義援金付きプランを選んだといい「写真を通して少しでも被災地の力になれればうれしい」と語った。