生まれた時からインターネットが身近だった若い世代で、ネット依存が急増している。

 厚生労働省研究班が2017年度に実施した調査によると、病的なネット依存が疑われる中学生と高校生が全国で93万人に上った。5年間でほぼ倍増するという衝撃的な数字である。実に中高生の7人に1人という深刻さだ。

 ネット依存は、スマートフォンなどでゲームや会員制交流サイト(SNS)にのめり込み、行動をコントロールできなくなった状態をいう。「やめたくても、やめられない」という意味ではギャンブル依存症などと同じだ。

 朝起きられずに学校に遅れたり、休んだりするのが典型的な症状で、無理に取り上げようとすると暴力を振るうなど、周囲との関係を悪化させるケースも少なくない。うつ病などの合併症や脳の障害を引き起こす恐れもある。

 背景にあるのは、内閣府の調査で中学生で6割近く、高校生で9割以上に広がるスマホの所有・利用だ。中学生で1日およそ2時間半、高校生で3時間半も利用するなど、生活に欠かせない存在となっていることも深く影響しているのだろう。

 中でも目立っているのが、複数人で遊ぶオンラインゲーム依存である。数人でチームをつくる場合、1人だけ抜けることは難しい。さらにゲーム内で販売されるアイテムの課金システムが依存性を高めているといわれる。

 本人の意思や親のしつけの問題と突き放しては解決は遠のく。

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 今年6月、世界保健機関(WHO)はゲームのやり過ぎで日常生活が困難になる「ゲーム障害」を新たな疾病とした。各国で問題化するネット依存を病と認めたのである。

 ゲーム自体を否定しているのではない。ただゲームには依存性があり、特に子どもは依存に陥りやすく、そのための対策は必要だ。

 ゲーム人口の低年齢化が進む中国では、子どものオンラインゲーム禁止を含めた方策が議論されている。韓国政府はネット依存の青少年を山間部の施設に集め、合宿形式での治療に取り組んでいる。

 国内では人気オンラインゲーム会社が適正利用時間を画面に表示するなど注意喚起を進めるが、政府としての対策は大きく出遅れている。

 問題への危機感を官民で共有し、それぞれの責任で取り組みを急いでもらいたい。深夜の利用や接続時間の制限など、子どもを依存から守る方策を検討すべきである。

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 もちろん親が子どもの話を聞いて対策を考えることも大切だ。

 先の内閣府の調査で気になったのは、ネット利用に関する家庭内のルールについて、保護者の84%が「決めている」と回答したのに対し、子どもは65%と認識がズレていた。

 いま一度親子でネットの適切な使い方を話し合い、午後10時以降は使わないなどルールを再確認してほしい。 

 依存が低年齢化していることを考えれば、小学校からの予防教育も重要となる。