大弦小弦

[大弦小弦]2人の紳士が入店した食堂の細かい注文に違和感を覚えながら…

2018年9月4日 07:37

 2人の紳士が入店した食堂の細かい注文に違和感を覚えながら従い続けると、いつの間にか食材にされそうになる。宮沢賢治の「注文の多い料理店」は、ファシズムの到来に警鐘を鳴らした作品ともいわれる

▼7日告示の自民党総裁選を前に、党が新聞・通信各社に送った「公平・公正な報道」を求める文書には、驚くほど具体的で細かい注文が並ぶ。記事や写真の掲載面積は平等にする、掲載日が候補者によって異なる場合は他候補の名前を必ず載せる…

▼いずれも各紙の編集権に関わることばかり。民主主義には「報道の自由」が欠かせないが、メディアの心臓部に介入していることに政権党は気付いているか。それとも意図的か

▼各社の取材は「規制しない」とある。ただ、「オープン」と言いながら枠組みを狭め、「これがオープンだ」と一方的に決められる恐れがある。テレビ局にも同様の要請をしているという

▼総裁選は単なる政党の代表選びではなく、次の首相が事実上決まる重要な選挙だ。党関係者以外は投票できないが、結果は全ての国民に影響する。民主主義を守るためにも自民党は文書を撤回するべきだ

▼各メディアの矜持(きょうじ)も問われる。公職選挙法の制約を受けない総裁選で、こと細かな注文に従うのか、「報道の自由」を行使するのか。読者や視聴者に見られている。(磯野直)

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