最も安心、安全でなければならない学校給食からまた異物が見つかった。

 先月31日、沖縄市の小学校で学校給食に長さ約6ミリの金属のような異物が混入していたことが分かった。

 5年生の児童がフルーツミックスをお代わりしようと皿に盛った際に気付いた。児童に被害が出なかったのは幸いだった。

 同市では昨年から今年にかけて給食への異物混入が続いている。

 昨年11月には今回と同じ調理場の給食から野菜などを切るスライサーの刃の一部、今年1月には別の調理場から留め具、3月にもステンレス製のたわしの切れ端とみられる異物が確認された。

 スライサーについて職員が欠けていることを発見しながら給食を止めなかった。刃の一部、たわしは児童がいったん口に入れたが、吐き出してけがはなかった。

 市教委は異物混入が相次いだことを受け、混入の防止や、調理器具の管理、防(ぼう)鼠(そ)防虫について独自のマニュアルを作成した。

 それでもなぜ、混入を防ぐことができないのか。

 マニュアルが現場に周知され、調理場の職員はそれに従っているのか。もっと改善すべき点はないのか。施設の老朽化を指摘する声もある。

 児童生徒の生命に関わる重大事故が起きてからでは遅い。市教育委員会は今回の事件を重く受け止め、原因究明をした上で早期に再発防止策を提示しなければならない。

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 市教委は作成したマニュアルを公表していない。情報公開に後ろ向きの姿勢は不信感を招くだけである。

 昨年12月、保護者を対象に説明会を開き、謝罪したばかりである。保護者らから怒りの声が上がるのは当然だ。

 県教委への報告遅れが再三指摘されたため、市教委は今回は県教委へはその日のうちに報告。だが保護者へは4日後。市教委自ら情報公開したわけでないことも危機意識が薄い証しではないのか。

 県の「学校給食における管理・指導の手引き」では給食中に異物を発見した場合は「直ちに給食を中断」しなければならない。市教委は終了間際だったことから止めず、各学校に事後に確認。結果的に被害は出なかったが、適切だったのか。検証が必要だ。

 市教委はホームページ(HP)でマニュアルを公表すべきだ。多くの人たちのコメントを求め、課題の洗い出しを急ぐべきである。

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 県教育庁は昨年12月、スライサーの刃の一部が混入したことを重く見て、調理場の立ち入り調査を実施した。現場確認するとともに、職員からの聞き取りをした。

 県中部保健所も調理場でネズミの死骸が見つかったことや食器の間にゴキブリの死骸が含まれていたことから市教委を指導。ネズミやゴキブリの侵入を防ぐため、調理場の空気孔や排水溝に網を設置するなど対策を取った。

 にもかかわらず、異物の混入を止めることができない。市教委にはもはや当事者として解決能力がないのではないだろうか。