まだ寝苦しい熱帯夜。明け方に目が覚め、手に取った携帯電話を見て、息をのんだ。〈北海道で震度6強の地震が発生しました〉。住んでいる自治体から届いた防災メールだった

▼爪でえぐられたように山肌がむき出しになった土砂崩れ。道内全域の大規模停電、そして断水。刻一刻と明らかになる被害に言葉を失う。人々は互いに励まし合い、不安な夜を過ごしただろう

▼気象庁は、揺れの強さを表す階級で最も高い震度7を厚真町で観測したと発表した。発生から丸一日以上。安否不明者の捜索は時間との闘いになる

▼沖縄も人ごとではない。琉球大などの研究グループは、沖縄本島南の琉球海溝沿いに、プレート間のひずみが蓄積した固着域があることを見つけた。大地震が起きるかもしれないという心構えは忘れずに持ちたい

▼思えば、今夏は異常気象が相次いだ。西日本豪雨、観測史上初めて東から西に逆走した台風12号、40度を超す猛暑。関西空港が機能不全に陥った台風21号は、つい3日前だ。過去30年の統計でみれば「異常」だったものが、ごく当たり前の「日常」に変質することだってあるかもしれない

▼きょう北海道の予報は雨。本来なら秋の収穫に向けて農地を潤す恵みの雨になるはず。どうか北の大地に優しく降り注いでほしい。被害がこれ以上広がらぬように。(西江昭吾)