北海道で6日未明、胆振(いぶり)地方中東部を震源地とする震度7の地震が発生した。被害は、日が昇るにつれ少しずつ明らかになっている。6日午後6時現在、死者5人のほか安否不明者やけが人が大勢出ている。一刻も早く一人でも多くの救助に全力を挙げてほしい。

 震度7は最大値で、東日本大震災や熊本地震など国内では6回目の発生となる。北海道のほぼ全世帯にあたる295万戸が一時停電し、各地の役所や交通機関のインフラ機能がストップした。完全復旧の見通しはついていない。

 未明の地震の後も時折強い余震が続く中、被災者は最初の不安な夜を迎えた。どうかそれぞれの命の安全確保を第一に行動してほしい。

 気象庁によると震源は地下37キロ。日本の内陸の活断層で通常起きる地震の震源20キロより深いため揺れは広範囲に伝わった。

 震源地に近い厚真町などでは大規模な土砂崩れが至る所で発生した。緑の山が崩れて現れた茶色の山肌は、波のようにうねっている。山裾にあったはずの集落の家々や田畑が埋もれて見えない。

 地震が発生した時刻は、みなが寝静まったころだ。あっという間の土砂崩れで、避難する間もなかった可能性がある。その上、広範囲に及ぶ被害で、救助のポイントを探す時間が壁になっている。

 政府は当初4千人態勢だった自衛隊の派遣を2万5千人に拡充すると明らかにした。土砂崩れの救助は時間との勝負で初動が何より重要だ。人命救助に、ありったけの力を注いでほしい。

■    ■

 かつてない大規模停電は、震源近くにある北海道電力苫東厚真火力発電所が緊急停止したことで起きた。電力の需要と供給のバランスが一気に崩れたことで他の3カ所の火力発電所も停止し、広域停電が発生。1カ所の大規模電源に頼るシステムの弱さをさらけ出した格好だ。

 この影響を受けて泊原発も外部電源が一時喪失した。運転停止中だったため原子炉に燃料はなく異常は見られなかった。政府は原発の安全性を強調するが、もろさが露呈した。

 停電で深刻な影響を受けたのが医療機関だ。道内29カ所の災害拠点病院は自家発電で対応するが、発電量には限りがあり、診療の一部を中止している。停電が長引けば、入院患者などへの二次被害が生じる可能性もある。

 非常時に電力を安定供給するには、発電所の地震対策だけでなく、電力会社間などで電力を融通し合うことや、再生可能エネルギーなど電力調達の多様性の確保が必要だ。

■    ■

 地震による液状化現象が広範囲で発生した札幌市清田区は、これまでも地震のたびに液状化が起きていた。今後の余震でも液状化が進む危険性があり、予断を許さない。

 北海道だけの問題ではない。今回のような地震はどこでも起こりうる。私たちのまちづくりやライフラインの整備に過去の教訓は生かされているだろうか。被災地の復旧協力はもちろん、全国で足元の防災を見直す必要がある。