社説

社説[玉城氏政策発表]遺志継承その次を語れ

2018年9月11日 08:25

 自由党衆院議員で「オール沖縄」勢力が推す玉城デニー氏(58)が、知事選に向けて政策を発表した。

 急逝した翁長雄志前知事の遺志を継ぎ、玉城カラーを盛り込んだという各種政策の理念は「誇りある豊かさ」の実現だ。

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設について、玉城氏は「県民同士に負担を付け替え、新たな犠牲を強いることは、私たちが望む解決の道ではない」と語り、新基地建設に反対していくことを強調した。

 政府と仲井真弘多元知事との間で約束された2019年2月までの普天間の運用停止や閉鎖・返還も求めている。

 新基地建設の是非は、今回の知事選の最大の争点である。しかし事実上の一騎打ちとなる戦いで、移設を進める安倍政権が支援する佐喜真淳氏(54)=自民、公明、維新推薦=は、その是非について語っていない。

 玉城氏が「翁長イズム」をベースにと語った政策集にはこう記されている。

 「政治的立場の違いを超えて、歩み寄ることのできるウチナーンチュの包容力は、心ない分断を乗り越える賢さであり、私たちが持てる最強の力です」

 「支持する」と明言した辺野古沿岸部の埋め立て承認撤回も含め、翁長氏が命懸けで守り抜いた公約をどう引き継ぎ具体的政策に落とし込んでいくか。政府との関係をどのように調整していくか。

 新たな対応が求められる。

■    ■

 30日の知事選で選ばれる新知事は、在任中に復帰50年を迎える。

 玉城氏が政策集の最初に「新時代沖縄」を掲げたのは、その大きな節目を意識したからだろう。

 「次なる振興計画を策定し、日本経済の再生にも貢献し得る方向へと沖縄を導く」とし、翁長県政が進めてきたアジア経済戦略の実現を前面に掲げた。

 大型MICE施設の建設や鉄軌道の導入など個別事業は佐喜真氏の政策とも重なる部分が多い。違うのは「従来の補助金頼みではない」との方向性を示したことだ。

 復帰以来の高率補助制度や沖縄振興予算の一括計上方式が、沖縄振興を支えてきたことは否定できないが、50年以降も続けるのか。基地維持装置とも評される沖縄振興体制は今のままでいいのか。税制の優遇措置は…。

 復帰50年にふさわしい沖縄将来像について大いに語ってもらいたい。

■    ■

 政策の柱の一つ「沖縄らしいやさしい社会の構築」は、生活に密着した教育政策や子育て支援策などを幅広く盛り込み、玉城カラーを押し出した。

 主要政策として国際災害救援センターの設置、観光・環境協力税の導入、日米地位協定の抜本改定なども掲げる。

 玉城氏が立候補を決めたのはわずか10日ほど前である。政策発表から告示までは3日しかない。

 有権者が主張を見極められるよう、公開討論会や個人演説会などの機会を通し、判断材料を示してほしい。

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