女性の長寿日本一を誇る北中城村は健康長寿に「笑い」の大切さを掲げる。人との結びつきの強さが「元気で長生き」の秘訣(ひけつ)であり、「笑い」はバロメーターになる

▼声を出して笑う機会を尋ねた村民調査で「ほぼ毎日」「週1~5回」と答えた女性は70代で計9割を超え、全世代で男性を上回った。周囲への信頼感や助け合いの気持ちは男女とも高い割合を示した。この幸福感が高齢者の長寿を支える

▼人のつながりと健康の関係をまとめた本に「ソーシャル・キャピタルと地域の力~沖縄から考える健康と長寿」(イチロー・カワチ+等々力英美編著)がある。カジマヤー祝いなどお年寄りを敬うコミュニティーが生きがいをもたらすとの考察が列挙される

▼長寿ブランド北中城が全国的に知られる一方で60歳以下の健康状態は悪い。食生活の乱れや運動習慣の少なさなどによって中高年や子どもの不健康化が進む課題は県全域と同じである

▼「北中城の女性を含めて人とのつながりが濃く逆境も笑いではねかえす力がある沖縄のお年寄りから学ぶべきことは多い」。村の健康長寿計画づくりで委員を務めた大阪大学大学院の白井こころ准教授(公衆衛生学)は指摘する

▼きょうは老人の日。連休中は敬老会など盛りだくさんだ。この機会に今の「逆境」をはねかえす知恵を学びたい。(溝井洋輔)