仕事を充実させるためには家庭やプライベートの安定が不可欠です。仕事と家庭の両立、それはビジネスパーソンの大きな課題の1つなのかもしれません。

 この連載コラムの題材となっているSF小説「銀河英雄伝説」では、仕事と家庭の両立を想起させるようなシーンはあまり見られませんが(笑)、例えば、銀河帝国を代表する提督であり、「疾風のウルフ」という異名を持つウォルフガング・ミッターマイヤーは、出征中でも奥さんに手紙を送り続けた愛妻家として描かれています。たとえ仕事が忙しくても、家族に対する気遣いを忘れないという好例でしょう。

 自由惑星同盟のアレックス・キャゼルヌも、任務を終えて自宅に戻れば、夫婦そろって会食する場面が多く見られるなど、家庭を大事にする働く男性という印象を受けます。

 一方、私たちが生きている現実の世界においては、仕事と家庭の両立はもっと日常的な関心事ではないでしょうか。例えば、私の回りを見渡すと、これがうまくいっている人とそうではない人が混在しています。社長などの経営層に至っては、その割合は半々に達するイメージです。朝から晩まで仕事に没頭するあまり、家庭をおろそかにしがち。付き合いも多いので、平日だろうが休日だろうが飲み歩き、奥さんからの反発を買ってしまうという具合です。

家庭の失敗がビジネスにも悪影響を与えてしまう。そんな経験をしたビジネスパーソンは少なくないだろう(写真提供:ゲッティイメージズ)

 ちなみに、経営陣に家庭の問題が勃発すると、かなりの確率でその組織は停滞します。家庭の失敗がビジネスにも悪影響を与え、結果、身を滅ぼしてしまったような経営者を皆さんもご存じかもしれません。

 私は職業柄、さまざまな企業に出入りして相談に乗る機会が多いですが、少しフランクな場になると、相談される内容の上位が結果的に家庭の話に落ち着くことが多いです。家庭の話はさまざまな事象がありますが、ほとんどのケースで1つの解決策に集約されます。

 その解決策とは、「しっかりと双方が納得いくまでパートナーと話し合うこと」です。つまりパートナーとの「握り」こそが最も大事だということですね。

 パートナーという最も身近な相手だからこそ、具体的に話し合ってないことが非常に多く、「言わなくても分かるよね?」と勝手に思い込んではいないでしょうか。この「言わなくても分かるはず」というのは、プライベートだけではなく仕事でも使ってはいけない暗黙知がまん延しています。その結果、悲劇を招いてしまうビジネスマンは枚挙にいとまがありません。お互い距離が近い分、簡単なことのようで解決への難易度は高いです。