9月22日は「シークヮーサー」の日。沖縄ではシークヮーサーなどの伝統的なかんきつ類を総称して「クニブ」(九年母)と呼ぶことから、語呂に合わせ、記念日となっている。さらに県産果実は昨年、「沖縄シークヮーサー」として地域団体商標に登録され、同時に機能性成分の研究も進んでいる。収穫最盛期を迎えた県内一大産地・大宜味村の若き生産者を訪ねた。また北海道と沖縄に食品検査施設を持つクロックワーク(那覇市)代表の伊志嶺哉(ちかし)さんに、北海道ではやっている「目からウロコ」の生果活用術を紹介してもらった。「健康果実」としてますます注目されている沖縄県産シークヮーサー。毎日の生活に、ぜひ取り入れてはいかが?(企画・制作 沖縄タイムス社営業局)

<北海道で新ブーム「凍ったシークヮーサー」サワー>

「実の小ささ」逆手に発案!生果を凍らせ氷代わりに 「クロックワーク」伊志嶺哉代表に聞いた北海道流の使い方

―昨年「沖縄シークヮーサー」の地域団体商標が登録されました。同時に果実の機能性成分の研究も進んでいるそうですね。

写真を拡大 北海道方式の凍りシークヮーサーメニューを取り入れた飲食店が県内にも登場=那覇市、国際通りの屋台村

 伊志嶺代表 シークヮーサーには脂肪燃焼、血糖値低下、肝機能改善、抗炎症、睡眠改善、尿酸値低減など、さまざまな作用がある事がこれまでの研究でも分かっています。現在、県事業(※)でヒト細胞を使ったメタボリック症候群対策等の研究を継続中です。検証結果を論文化し、果実そのものを「核内受容体活性促進剤」として特許出願して、機能性表示食品の申請を目指しています。

―機能性成分ではなく、果実そのものの特許を目指す理由は何ですか?

 伊志嶺代表 シークヮーサーにはノビレチン、タンゲレチン、ヘスペリジンなど4種類のフラボノイドが含まれています。単一の機能性成分だけを抽出・精製するのと違い、この4つをバランス良く摂取できるのが県産果実と果汁の強みであり、これが地域ブランドにつながると思います。

―まず生果の良さを広く知ってもらうのも大切ですね。

写真を拡大 北海道の居酒屋グループが始めた新メニュー「凍ったシークヮーサー」サワーを説明するクロックワークの伊志嶺哉代表=那覇市牧志

 伊志嶺代表 いま沖縄から北海道へ生果の鮮度を保つ特殊なコンテナで海上輸送する実験も行われています。シークヮーサーの生果を初めて見た人は、ユズやカボスなどのかんきつ類と比べ、実の小ささにまず驚きます。現在、シークヮーサーの販売形態は95%が果汁。ペットボトル1本分の果汁を搾るのに大量の果実が必要だからこそ高価であると分かってもらえます。

―北海道ではどのような使い方をしているのでしょうか?

 伊志嶺代表 弊社は北海道にも研究機関を持っており、そのご縁で現地の居酒屋グループにシークヮーサーを紹介する機会がありました。実の小ささを逆手に取り、生果を丸ごと冷凍して氷代わりにしたサワーを提供したんです。それが非常に好評で、年間3トンの出荷を予定し、使い勝手の良い果汁の取引にもつながりました。この北海道の「冷凍生果」サワーが逆輸入され、県内でも新メニューを開発する飲食店が出始めています。

 斬新な生果の使い方に目からウロコでしたが、冷凍であれば旬に左右されず、通年で使ってもらえます。この動きが全国に広まれば、生産者の収入アップと果汁の付加価値向上にもつながります。観光地という立地、産地の強みを生かす新しいプロモーションになるのではないでしょうか?

 ※「県産特産果樹機能性評価・利活用推進事業」(平成29~31年度)クロックワーク、沖縄県農業協同組合、北海道科学技術総合振興センター、北海道情報大学のコンソーシアムで受託