1999年、低迷を始めた新日本プロレスで、イケメンレスラー・棚橋弘至がデビュー。ナルシストな彼のパフォーマンスは、男性中心だったプロレスファンの大ブーイングを生んだ。しかし、ファンの怒りをあおるように、リング上でエアギターをかき鳴らし「愛してまーす」と叫び、需要のない色男を演じ続ける棚橋。試合のない日はビジュアルを生かし、プロレス啓発にいそしみ、自分磨きと、自撮り中心のSNS更新は怠らない。空席目立つ会場で、やじと嘲笑を一人で背負い、ナルシストを貫き通した棚橋はついに観客を呼び戻した。

パパはわるものチャンピオン

 このたびプロレス人気の復活を証明するように、棚橋主演の映画が公開。彼が演じる、けがで戦線離脱した悪役マスクマンの葛藤が低迷期のプロレス界や棚橋の苦しみに重なり、涙で前が見えない。(桜坂劇場・下地久美子)

桜坂劇場で21日から上映