宜野湾市普天間で生まれ育った元山仁士郞さん(26)は米軍機が自宅や学校の真上を飛ぶ「日常」を過ごした。「当たり前」でないと気づいたのは東京の大学へ進学後。あの環境はなんだったのか-。素朴な疑問が学びの意識と今の活動を支える

▼代表を務める「『辺野古』県民投票の会」は9万2848筆の署名を県に提出して20日、県議会で条例案の審議が始まった。意見陳述で元山さんは「世代間の対話」という言葉を使った

▼沖縄戦を生き抜いた祖父母や本土復帰を知る親の世代の体験が若者に十分伝わっていない。見えない壁を越えるために異なる世代が互いの話に耳を傾けることが重要との思いがある。「県民投票を通して基地について考えるきっかけをつくりたい」

▼請求代表者の一人・平良美乃さん(25)は「議論できる沖縄」にしたいと語った。賛成・反対・よく分からない人が自由に意見を交わす大きな一歩に県民投票を位置づけた

▼インターネット上では知事選にまつわるフェイクニュースが飛び交う。偽の情報があまりに多いため選挙前に報道機関の役割として「ファクトチェック」が新たに定着しつつある

▼県民投票条例案は新知事のもと10月に実質審理が始まる。若者が先頭に立つ新しい動きが実現すれば立場や意見の違いがあっても議論を深める一石となるだろう。(溝井洋輔)