宇宙を目指す兄弟を主人公にした人気コミック「宇宙兄弟」は、試験や厳しい訓練を乗り越え仲間たちと共に宇宙飛行士として成長していく物語。実写版で映画になったこともあり、ご存じの方も多いはず

▼宇宙に行くには体力だけでなく、人並み外れた知力や精神力も求められる。だからこそ、子どもたちの憧れの存在だった。だがそんな時代は終わりを告げそうだ

▼米宇宙ベンチャー「スペースX」社は、開発中の大型ロケットでの月旅行契約を、日本のインターネット通販会社社長と結んだ。社長は世界の芸術家数人を月周回旅行に同行させるという。契約額は未公表だが、約5600億円かかる開発に影響を与える金額を前払いしたとか。お金があれば、月に行ける世の中になった

▼大富豪でない身としては、日頃の雑事を離れ、月を眺めるだけで十分に安らげる。きょうは秋分の日。残暑はまだ厳しいが、夜は穏やかな風も感じるようになってきた。翌日は旧暦八月十五夜、名月を愛(め)でるにはもってこいの時節だ

▼「眺めれば空や 雲 霧も晴れて さやか照り渡る 十五夜御月(ウツィチ)」(古今琉歌集)。月夜の下、各地では豊年祭や獅子舞などがめじろ押し

▼ふちゃぎを頬ばりながら一人夜空を仰ぐのもよし、家族や友人と祭りに参加するのもよし。庶民には庶民の楽しみ方がある。(玉城淳)