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「キャッシュレス化」を読み解く 上間喜壽氏(上間てんぷら弁当店代表)

2018年9月26日 08:24
上間 喜壽
上間 喜壽(うえま よしかず)
上間弁当天ぷら店代表

1985年生まれ、うるま市出身。大学卒業後、弁当店を事業承継し、2009年に法人化。24歳で代表に就任した。ITシステム会社U&Iの代表も務める。

 キャッシュレス化の波が日本にも押し寄せてきたが、日本のキャッシュレス決済比率は2割弱と諸外国に比べて遅れている。「キャッシュレス社会」は本当に到来するのか。(サンケイビズ8月24日付)


お金の流通速度が加速

 ちまたでは現金以外の支払いや決済方法を指すキャッシュレスの機運が高まっています。クレジットカードに始まり、EdyやWAONなどの電子マネー、最近ではQRコードを使ったモバイルQR決済も各プレーヤーが激しく競り合っています。なぜキャッシュレスが話題に上るのでしょう? いくつか理由を挙げてみます。

 一つ目はインターネットの普及。ネットで買い物をするEコマースなど、決済を行う手段として現金以外のニーズが高まった。

 二つ目には現金のリスク。店舗ビジネスでは現金を取り扱うことで盗難や強盗のリスクがある。

 三つ目は労務コストや管理コストの削減。現金で支払うとその取引の証左として領収書やレシートを残すことが義務付けられている。この経理管理コストは企業にとって負担。また領収書やレシートが残らない取引は帳簿上に出にくく、脱税や粉飾の温床にもなりやすく、問題視されている。

 四つ目は海外旅行者の爆発的な増加。海外の方の決済手段としてクレジットカードなどは非常に便利で、現金の両替や持ち歩くリスクが減る。旅行者の増加が店舗でのキャッシュレス決済の使用ニーズを高めていることは明らか。

 ではキャッシュレス決済のメリットとデメリットを比べてみましょう。メリット=現金の盗難リスク等がない、外国でも簡単に決済できる、決済記録が残るので経理作業が効率的になる、ポイント等がたまる。

 デメリット=使用できる店舗が限られる、決済手数料がかかる、スキミングやハッキングなどのリスクがある、電子機器が使えない状況だと使えなくなる。 

 このようにキャッシュレスも完璧な決済手段とはいえないようです。しかし、キャッシュレスの本質は「お金の流通速度の加速」だと考えます。例えて言うならば、手紙がメールに変化したようなスピードの変化といえます。

 お金とは元来、紙幣やコインではなく、(1)価値の保存機能(2)価値のものさし機能(3)価値の交換機能-を備えていればどんなものでも十分お金として機能します。

 つまり価値の乗り物といえます。価値の乗り物としてのお金が紙幣やコインという実際のモノから離れ、概念として存在し、スピードが加速することはさらなる経済スピードの加速となります。キャッシュレスがもたらす大きな変化はこの流通の加速による経済の成長ともいえるでしょう。

 世界的にもこの流れはさらに加速していきます。この環境変化に対して、消費者、事業者、労働者ともにうまく対応していけるかが今後の分岐点となりそうです。(上間てんぷら弁当店代表)

★新企画「ニュースナビプラス」とは? 百貨店やコンビニなどを抱える小売業大手の会長、人工知能(AI)を研究する大学教授、スイーツ開発・販売業社長、旅行会社のシンクタンク社長、仕出し店とIT企業を経営する若手社長の5氏が、それぞれの専門的な知見を基に、国内外の気になるニュースを読み解きます。

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