脂質異常症とは血中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)、中性脂肪(トリグリセライド)、Non-HDLコレステロール(総コレステロール値からHDLコレステロール値を引いた物)が多すぎる状態、またはHDLコレステロール(善玉コレステロール)が少なすぎる状態です。

イラスト・いらすとや

 悪玉コレステロールは肝臓で作られたコレステロールを全身に運ぶ働きをします。コレステロールは本来全身の細胞膜の成分として働き、またホルモン、ビタミンD、胆汁酸の原料となります。しかし悪玉コレステロールが増えすぎると血管壁にたまり、その蓄積のため血管が細くなり、血栓ができ易くなり、動脈硬化を促進します。そのため狭心症、心筋梗塞、脳梗塞を引き起こす事があります。

 中性脂肪は身体活動のエネルギー源になります。中性脂肪は食事の脂肪を原料に腸管で作られるほか、肝臓でも合成されます。高中性脂肪血症になると、動脈硬化を促進します。また脂肪肝や急性膵炎(すいえん)の原因になります。善玉コレステロールは、体内の余分なコレステロールを回収したり、血管にたまったコレステロールを肝臓に戻したりすることで、動脈硬化を抑える働きをします。

 脂質異常症のうち約8割は「生活習慣病」と言われ、食事の欧米化・運動不足、飲酒、喫煙も原因となります。

 他の病気が原因で脂質異常症になることがあり、続発性脂質異常症と呼びます。糖尿病・甲状腺機能低下症・ネフローゼ症候群等がありますが、原疾患をきちんと治療すれば改善します。

 一方、遺伝により発症する原発性高脂血症があります。その中で最も多いのが「家族性高コレステロール血症」で、若年期より悪玉コレステロールが高く、30代でも心筋梗塞等を発症します。肘や膝、アキレス腱(けん)に黄色腫が有れば要注意です。

 健診等で脂質異常症と指摘されても無症状のため放置している方、現代は心筋梗塞や脳梗塞は予防する時代です。お近くの内科を受診してみませんか。(辺野喜英夫 辺野喜内科・小児科)