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デニー沖縄知事、“嵐”の船出 初仕事は台風対策 「イバラがあるなら踏み越えて進む」

2018年10月5日 14:31

 沖縄県の玉城デニー新知事が4日就任し、「新時代沖縄」を掲げる玉城県政がスタートした。名護市辺野古の新基地建設問題では、対話と協議による解決を政府に求める一方、「そこにいばら(とげのある木)があるなら、踏みしめ、踏み越え、かき分けて未来へ進む」と覚悟を示した。(政経部・福元大輔、伊集竜太郎、大野亨恭)

知事室で富川盛武副知事(右)から事務引き継ぎを受ける玉城デニー新知事=4日午前時すぎ、県庁(田嶋正雄撮影)

職員に出迎えられ、初登庁した玉城デニー新知事=4日午前10時15分、県庁

知事室で富川盛武副知事(右)から事務引き継ぎを受ける玉城デニー新知事=4日午前時すぎ、県庁(田嶋正雄撮影) 職員に出迎えられ、初登庁した玉城デニー新知事=4日午前10時15分、県庁

台風25号が接近

 「まさに嵐を呼ぶ男だ」

 知事選終盤も台風、就任日も台風。県幹部は、翁長雄志前知事がカラオケで歌った石原裕次郎さんの歌を取り上げ、新知事を歓迎した。

 玉城氏は沖縄市の自宅から県の公用車で県庁へ。台風24号の復旧が追いつかないまま、台風25号の接近を控える事態を目の当たりにして、「早く日常の生活に戻るよう取り組む」と知事の自覚を強く持った。

 県庁では富川盛武副知事、謝花喜一郎副知事、吉田勝廣政策調整監ら、翁長県政継承を象徴する顔ぶれが待ち構えた。

デニーカラー

 県民ホールでの職員や支持者の歓迎セレモニー。知事秘書の中村詩織さん(32)は、秘書課で選んだ「デニーカラー」のオレンジの花束を手渡した。「L」字形の花道を歩き、「新県政での意気込みを」と問い掛ける記者団には、左手の親指を立て、笑顔を見せた。

 そのまま11階に上り、支持者や県議の前で、県選管の当山尚幸委員長から当選証書を両手でしっかりと受け取り、「地に足を付けて頑張りたい」と決意。

 6階の知事室では「沖縄県知事 玉城デニー」の名札を付け、名刺を受け取り、「最初は誰に配ろうかな」と周囲をうかがった。知事席に座ると「翁長知事が取り組んできたことをこの席で回想しながら、自分の役割と責任に重ね、仕事すると思うと感慨深い」。

基地問題に質問集中

 初の公務は「災害対策本部会議」だった。初顔合わせの部局長を前に作業服の新知事は「引き続き情報把握に努め、緊張感を持った対応を」と指示した。

 初の記者会見では辺野古新基地建設問題に質問が集中した。米国内に幅広いネットワークを持ち、米議会への影響力もあるベテランズ・フォー・ピース(VFP)に協力を呼び掛けるなど、「デニーカラー」も随所にちりばめた。

 基地問題に関わる県幹部は「安全運転の滑り出し」と印象を語り、これまでの県の政策と新知事の公約では「微調整で済むのではないか」との認識を示した。

「お手並み拝見だ」

 沖縄振興に関わる県幹部は「沖縄らしい優しい社会の構築」などの政策を「まさしく翁長県政の継承」と受け止め、「誰一人取り残さない」という言葉に「県民目線で分かりやすい」と新知事らしさを感じた。

 16日には早速、県議会定例会が開会する。慣例で、代表、一般質問とも1日ずつと通常より短くなる見通しだが、玉城氏の議会答弁に注目が集まる。

 県政与党は「翁長知事の遺志を共に継ぎ、全力で支える」(政党幹部)との姿勢。野党は「早速の全面対決だ」と鼻息を荒くする。

 自民県連幹部は、地元負担なしで北部基幹病院の設立を目指すとしていることに「お手並み拝見だ」とけん制した。

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