社説

社説[安倍改造内閣と沖縄]「辺野古」断念へ協議を

2018年10月5日 07:00

 安倍政権の課題や火種を残したままの内閣改造だ。

 第4次安倍晋三改造内閣が発足した。閣僚19人のうち初入閣は12人に上った。刷新をアピールしたとみられるが、新しさは感じない。

 政治分野の男女共同参画推進法を掲げる中で女性大臣は1人にとどまり、これまでと同様「安倍シンパ」の起用が目立つ。

 その一人、首相補佐官だった柴山昌彦文科相は教育勅語に対する認識を問われ「現代風に解釈され、アレンジした形で、道徳などに使うことができる分野は十分にある」と発言して早くも批判を浴びている。

 滅私奉公の思想をうたう教育勅語は、先の大戦の精神的支柱になったことから戦後の国会で失効が決議された。国民主権の憲法の下では相いれない内容で、教育行政を預かるトップとしての認識が問われよう。

 麻生太郎副総理兼財務相の留任も首をかしげざるを得ない。省職員に自殺者まで出した「森友学園問題」や、セクハラによる前事務次官辞任の重大さを考えれば、更迭されても仕方がなかった。内閣改造で引導を渡すべきではなかったか。政権の自浄能力に疑問符が付く。

 菅義偉官房長官も留任した。引き続き沖縄基地負担軽減相を兼務する菅氏は、会見で早々と「普天間飛行場の危険除去と同時に、辺野古移設や負担軽減を目に見える形で実現したい」と述べた。

 普天間の閉鎖・返還や辺野古新基地建設で、県民の民意を顧みず、これまで通り強行姿勢で押し進めることを宣言したに等しい。

■    ■

 安倍政権下で県民は2度も、新基地建設に反対する知事を選んだ。しかも圧倒的な民意で、である。

 翁長雄志前知事が誕生した4年前、安倍政権は翁長氏との面談を4カ月にわたって拒否したことは記憶に新しい。サトウキビ交付金に関する面会を農水相が断ったり、沖縄振興予算を議論する自民党の会合に招かなかったりするなど、政権や党による徹底した無視が続いた。

 今回の知事選で、政権が推した候補は政府と県の関係について「対立より対話を」と主張したが、過去に対話を拒否したのはほかならぬ安倍政権の側だ。

 対話を拒む政府の姿勢そのものが、この間、新基地建設を巡る裁判の応酬や、建設現場での市民らと機動隊の衝突など混乱をつくってきたことを見れば、変わらなければならないのは政府の姿勢であるのは明らかだ。

■    ■

 新知事に就任した玉城デニー氏は、当選した当初から政府に協議を提案している。4日、初登庁した玉城氏は、かつて政権が翁長氏の面会を拒否したことなどを振り返り「県民が選挙の争点で明確に示したのは辺野古反対の民意。このことを政府に求めるのはもちろん、県が法律に基づき判断した埋め立て承認の撤回についても県の判断に従うよう求める」と述べた。

 県民が再び選んだ辺野古反対の知事を、安倍政権が無視することは許されない。

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